宏美さんは女優としてはほとんど活動しておられない。私がテレビドラマでリアルタイムで観た記憶があるのは『誰かが見ている』(火曜サスペンス劇場)と『男女7人秋物語』。アニメの吹き替えでは『魔法の剣 キャメロット』『美女と野獣』くらいか。ミュージカルの舞台に関しては、皆様よくご存知の通りで、説明無用であろう。

 

 1998年の12月に、宏美さんがこのNHKのドラマ『少年たち』(全3回)に出演されたことは知っていた。私は海外赴任中で見れなかったが、弟がビデオに録っておいてくれたのだ。帰国後、早送りしながら宏美さんの出演場面を確認しただけで、ちゃんと見なかった。そのうち、そのうちと思っているうちに23年が経過してしまった(許せ、弟よ🙏)。

 

 ところが最近、どなたかのSNSで(だったか?😅)、「『少年たち』見たら、10代の相葉ちゃんや山Pが出てて、可愛い❣️」という書き込みを見かけたのだ。それでちょっと調べてみたら、なかなか内容的にも評価の高い作品ということが判り、先の週末に見てみた(まだVHSテープもデッキも生きていた!)。そうしたら、これが素晴らしかったのだ。

 

 という訳で、今日はこの『少年たち』というドラマを、宏美さんにスポットを当てながら振り返ってみたいと思う(多少のネタバレは含みます)。脚本:矢島正雄、演出:岡崎栄・吉永証、そして音楽は、宏美さんにゆかりの深い渡辺俊幸さんである。

 

 家庭裁判所の調査官・広川一(上川隆也)が、罪を犯した少年・少女たちに真正面から向き合う。事件の真相や家庭環境を調査するだけでなく、心から彼らの更生を願う広川の言動は、当の非行少年や親だけでなく、周囲の同僚たちの心をも動かしてゆく。他の主なキャストは、麻生祐未・地井武男・不破万作・黒沢年男ら。

 

 噂の(?)不良少年を演じた3人が、高橋一生(17)・相葉雅紀(15)・山下智久(13)。カッコ内は撮影時の実年齢。いずれも初々しい好演だ。写真の女の子は、唯一の不良少女・神崎理架役の吉野紗香(16)。彼女の母親・神崎由美子役が、宏美さんである。

 

 

 理架が、覚醒剤所持の現行犯で補導される。理架は薬を買う金を得るため、売春もしていた。広川は母親の由美子に接触する。スナックのママである由美子は、広川の度重なる訪問に、あからさまに不快感を示し、「あんな娘、関係ないわよ」と言い放つ。広川は、由美子の同居人や客に店外に放り出されたり、由美子にバケツの水をかけられたりする。

 

 4人の少年少女は、自供の内容や拘束中の態度等から、少年院送りになる可能性も充分あった。だが広川は、子どもたちと親との絆の再生を図る「親子合宿」を計画する。その成果によっては、子どもたちが保護観察処分で済むかも知れないのだ。はじめ広川の考えを無謀だと思った周囲も、次第に理解を示し、力を貸してくれるようになる。

 

 広川の熱意にほだされたのか、由美子も理架の審判には遅刻ギリギリで顔を見せる。飲み屋のママ然とした宏美さんも、スーツ姿で家裁に現れた宏美さんも素敵で、宏美ファンの要チェックポイントである。😍

 

 そしていよいよ合宿の日を迎える。いろいろな失敗もありながら、合宿はそれなりの成果を上げつつ進行する。だが、理架が被害者となるある事件が起こる。合宿の続行か中止かを巡って紛糾する大人たち。だが、当の理架が「合宿を続けたい!」と言い…。果たして合宿は、そしてこの子たちの行く末は…。

 

 合宿には、髪を一つに束ね、アクティブな母親らしいスタイルで現れる由美子こと宏美さん。ドラマの序盤で、尖りまくっていた表情が、次第に柔和な母親の顔に変わっていく辺りが見ものだ。火サスや男女7人の頃より格段に演技力が向上しているように思う(笑)し、何よりすごくお綺麗になられている。😍

 

 

 このドラマには、続編のパート2、3があり、いずれも2006年になってDVD化されている。現在でも容易に入手できるようなので、宏美さんは出演されていないが続編も見てみようかな。未見の方は、是非ご覧いただきたい。良いドラマです。😊

 

 

(1998.12.5,12,19放映 NHKドラマ館 愛の詩シリーズ 『少年たち』)