28thオリジナル・アルバム『Love』に収録されている。贅沢な作家陣によって書き下ろされた、さまざまなな愛の形を歌った曲を集めたアルバムだ。中でもこの「プロポーズのとき」は、選りすぐりのラブ・バラード。東京藝大出身のピアニスト、光田健一さんによる作詞・作曲・編曲である。

 

 タイトルから察せられる通り、愛する人から人生を共に歩こうと告げられた時の情景や想いを、細やかな言葉で美しく表現した歌である。とても大人なプロポーズの歌で、この歌が世に出る4年前に、長過ぎた春にピリオドを打って入籍された、拓哉さんと宏美さんご夫妻のことを思い浮かべずにはいられない。

 

 光田さんご自身のピアノと、柏木広樹さんのチェロだけの演奏で歌われるこの曲は、バックの音数が少ない分、宏美さんの声そのものや年輪を重ねた表現力が、ストレートに聴くわれわれの心を捉える。

 

 前半は、「自信もときめきもな」かった頃から、幸せに巡り逢えるまでの自分を、訥々と語るように聴かせる。後半の「♪ あなたが初めてこの手をとって〜」ではまさに「プロポーズのとき」の光景が目の前に浮かび、その心情が溢れ出すような歌唱である。殊に「♪ 光に充ちた明日が 」の部分では、万感胸に迫るような主人公の想いが痛いほど伝わってくる。

 

 温かなサウンドや、「♪ ふるさとで暮らしたい」などの歌詞の力もあるのだろう、私はこの曲を聴くと不思議に懐かしいような安らいだ気持ちに包まれるのだ。

 

 

 この「プロポーズのとき」は、アルバム発売から約4ヶ月後(10/9)に、「時の針/プロポーズのとき」としてシングル・カットもされている。その発売直後の体育の日を含む3連休は、私にとって忘れられない連休となった。初めて関東を出て宏美さんのコンサートのために遠征したからである。もちろん単身での遠征は許されない。

 

 うちは娘も息子もプールが大好きで、旅行と言えばプールがあって風呂が大きい宿ならいつも大満足。行き先はどこでも良かった。スパリゾートハワイアンズやユネッサンなど、大のお気に入りで、複数回行っている。

 

 2013年当時娘はもう高校生で、忙しくなってしまっていたので、小6の息子だけ連れて「スパワールド&岩崎宏美コンサートツアー NHK大阪 秋の陣」を決行。大阪の名所と美味いもんと宏美さん、あとはひたすらスパワールドのスライダーに親子で耽っていた。😅💦

 

 

 その時の『あなたへ〜いつまでもいつでも〜』ツアーのアンコール曲がこの「プロポーズのとき」だったのだ。コンサート終了後に、息子に「どの曲が一番良かった?」と訊いたら、「生で聴いたら『プロポーズのとき』が一番良かった」と言ったのだ。😳ピアノとチェロだけで歌われた宏美さんの生歌に、感じるところがあったのだろう。わが子ながらなかなかお目が高い、ではなくお耳が高い。😜

 

(2013.6.19 アルバム『Love』収録)