お気に入りだった、チノパンのひざこぞうが破れた。
気付かずはいて出かけてしまい、ありゃー、
ちょっと恥ずかしいなぁと思いつつ家に帰る。


なかなか今のお腹と足にフィットするいいズボンがないので
ひざこぞうをあて布して可愛くステッチなどして
繕ってみようと思い立った。
(マタニティ用のスキニーGパンを買ったけど、
足がちょっとむくんで少しの締め付けが気持ち悪かったり
するので結局はけない)

裁縫道具を引っ張り出してきて、
母が台所で夕飯の準備をしている横でちくちく縫い物。

ひと針ひと針。ちくちく。
キッチンからは、トントン、じゅわーといい匂い。


九州地方の地震が起こってから、数日。
度重なる大きな余震に広がる被害。
テレビで報道を目にするたびに、ああ、なんと!と感じるけれど、
東日本大震災のときみたいに、何かしないと、何もできない、
そわそわふわふわとにかく落ち着かない状態には
ならない自分が不思議だった。


あのときの世界が覆されたような焦燥感、不安感、
罪悪感、祈り、心配、そんなものたち。


3年後の3.11の日に、黙祷しながら浮かんできたのは
赤いドラゴン。どうしても描きたくなって
そのときに描きながらとにかく感じたのは
『いのちはやわじゃない』『エネルギーは、わたしに。自分に集中』だった。


そして今は、この空の下で不安で眠れない夜を
すごされているひとりひとりへの想いは・・・
『大丈夫、信じている』という言葉にあたるものに変わっている。
無責任で冷たいように思えるかもしれないけど
今はそうかなぁ。


ちくちくしながら、大丈夫と祈りながら
目の前の、今のわたしに集中。

繕いの時間。


(結局、わたしのセンスと技術が伴わず、ちくちくした結果、
これはお外にはいていけるような代物ではないなという出来に。
いいんだもん。やりたかったことをやれたから、結果は放棄(笑)