無想剣は勝ち負けを追求する武術ではないと言っても
負けてばかり良いと言う事でもありません。
では心の剣に現れる勝敗とは何か?
その根源たるものとは何か?
その答えは
「勝敗は常に顔で決まる。」
わけではありません。
すでに解説をした通り
「因果の解消」
そして小さなことにも感謝をする。
間違っても
自分が与えたことに執着をしたり、
ましてや、無関係の人間から
”奪う”ような事をしない。
この事が心の剣の自然の勝利につながります。
この勝利とは、別の言い方をすると
「運を引き寄せる力」
であり、夕雲流剣術書の最初の方にかかれている
「運の強い侍は、多くの戦場で活躍をした。」
この話にも繋がっていきます。
夕雲流剣術書に記載がある様に、
畜生界に心が堕ちた人間は
自分の思い通りに行かないため
「果ては天を恨み、人を咎(トガ)む。」
とあります。
その反対を考えるならば、
畜生界から脱出できた人間は、
小さな成功にも大きな感謝を抱くため
「果ては天を拝み、人を敬う。」
この話を覚えていくと、必ずや
多くの事で自然の恩恵を受けることが出来ます。
その恩恵が
心の剣で言う”自然の勝ち”です。