蒔いた種の通りに芽が育つ | 仏光さんの心の相談室

蒔いた種の通りに芽が育つ

播(ま)いた種に応じて果実を収穫する。 

善(よ)い行ないをした人は、良い報(むく)いを得る。      

悪い行ないをした人は、悪い報いを得(え)る。 
                           (釈迦)

きゅうりの種を蒔けばきゅうりができる。トマトの種を蒔けばトマトができる。人間は善行の種を蒔けば、良い事が自分の人生に返ってくる。悪行の種を蒔けば、悪いことが自分の人生に返ってくる。こんな事は昔から言われてきたことですが、なかなか自分が調子のいい時にできないのが善行なのです。寄付など周りから善行に見てもらえる事はするのですが、本来の善行はなかなかするようにはならないのです。

人生追い風の時は、たいがい「これくらいは許されるだろう、大丈夫だろう。バレないだろう」とちょっとした悪行をしてしまうのです。そして自分も自覚しないうちにそれがどんどんエスカレートしていきます。まあ、自分は調子がいいものですから、周りの人の注意にも耳を傾けません。「自分が正しいから、このようにうまく行っているのだ」と思ってしまうのです。

自分が調子のいい時は人の苦しみ悲しみなんか余り気になりません。「苦しい、悲しいのはそいつの努力が足りないのだ」 くらいにしか思いませんから。会社であれば部長、役員や社長、国家公務員であれば局長や政務次官になって景気もよく権勢が振るえるようになると、隠れたところでちょろちょろ悪行を始めて行きます。そして、社会的地位がありますから、「私は立派な人間です。貴方たちとは違ってこのように素晴らしい人生を歩んでいます。」という顔をして世間で過ごすようになります。

もちろんこのようなことを表に出す人は少ないです。表立っては謙虚に見せながら、内心自分でも気づかないうちに「まあ、自分は自分のお陰でうまいこといっているな」と思いながら過ごす様になるのです。そしてそのうまいこと行っている自分をさりげなく人に見て欲しい、その差を認識して欲しいという表に出さない欲望も出てきます。

ところが、いったん退職したり、会社の調子が悪くなって来ると今まで積んできた悪行が自分に向かって一気に返ってきます。通常何倍にもなって返ってくることが多いです。大体、世の中の有名人、政治家、企業トップのスキャンダルなんていうものはこの類のことが多いです。

マスコミに出る出ないは別として、調子が悪くなって来ると必ず自分の悪行が自分に返ってくるでしょう。お金を求めていた人はお金を失い、有名だった人は人気を失い、権勢を求めていた人は周りに見向きもされなくなる。

やはりある意味「天」は公平にできているのです。だから一時の見かけはどうであれやはり善行の種をこつこつ毎日蒔いていると幸せとなって返ってくるのでしょうね。

「人を嫌うと嫌われる。人を好くと人から好かれる。
人を怒ると、人から不評と文句がかえってくる。
善意を与えると次の善意がうまれて心に喜びが生じる。」

これはやはり真理でしょう。だからほんの少しで良いのです。目立たなくても良いのです。お互い毎日毎日、ささやかな善行を積んで行きましょうよ。どうせ限られた時間しか人生を生きられないのだから、悪いことをして時間を使うよりは良い事をして時間を使うのです。ずーっと前に私達が「おぎゃー」と生まれた瞬間はみんな「善」だったのですから。 

合掌


仏光

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