赤とんぼ

作詞:三木露風
作曲:山田耕筰

1、夕焼け小焼けの 赤とんぼ  

  おわれてみたのは いつの日か

2、山の畑の 桑の実を
  小かごにつんだは まぼろしか

3、十五でねえやは 嫁にゆき   
  お里のたよりも たえはてた

4、夕焼け小焼けの 赤とんぼ   
  とまっているよ さおの先


童謡中の童謡。 とても素敵な曲です。

しかし、これも今歌われない部分があります。 それは、3番の歌詞。
「十五でねえやは 嫁にゆき」
↑現在の法律では不可能です(笑) それで、4番も道連れカット……

こんな理由でこんな情景が思い浮かぶ歌をカットしてしまうのです。 勿体ない!

これは、作者の実体験から来ている歌詞です。
ねえやは、お姉さんではなく、お姐さん。 要するに奉公に来ている女の子ということになります。 背中に追われながら見た赤とんぼを懐かしく思い返しています。


しかし、そのねえやも十五歳でお嫁に行ってしまいます。
当時(江戸時代)は、嫁いでいった人は、余程のことがない限り、便りを出しませんでした。 なので、便りが絶え果ててしまったというわけです。


4番の歌詞で、ようやく現実に戻ってきます。
さおの先でじっとしている赤とんぼを見て、昔のことを懐かしむ主人公が最後に登場して終わり。

この歌詞は、色々間違えて記憶していることも多いかと思います。 「おわれて」を、何かから追われながら見たという意味に取っていたり、「ねえや」を実姉と思っていたり、「お里のたより」をお里さんという人からの便りだと思ったり(笑)


ちゃんとした意味で考えると、せつなくなりますね。
何となく哀愁漂う素敵な名曲。 是非とも全曲歌い継いでいきたいものです。
以前書いたブログが消えてしまったので、改めて書きます。
今や歌われなくなってきている名曲『里の秋』をご紹介いたします。
私も知らなかった曲ですし、今の子供たちは聴いたこともないような曲です。

里の秋
作詞:斎藤信夫
作曲:海沼 実

1.静かな静かな 里の秋
 お背戸に木の実の 落ちる夜は
 ああ 母さんと ただ二人
 栗の実 煮てます 囲炉裏端


2.明るい明るい 星の空
 鳴き鳴き 夜鴨の 渡る夜は
 ああ 父さんの あの笑顔
 栗の実 食べては 思い出す


3.さよならさよなら 椰子の島
 お舟に揺られて 帰られる
 ああ 父さんよ ご無事でと
 今夜も 母さんと 祈ります


見て分かる通り、3番の歌詞が戦争を思い起こさせるという理由で、今教科書から外されてしまっている曲です。
しかし、これは戦後のラジオ番組《外地引き上げ同胞激励の午后》のテーマソングとしてできたものです。
本来であれば、この一回のみの曲だったのですが、あまりにもこの曲の反響が凄かったため、現在まで残る結果となりました。


しかし、この曲、元々斎藤信夫さんは戦意高揚のための曲として「星月夜」というタイトルで書いています。
結局、海沼実さんは「星月夜」に曲をつけることはありませんでした。


戦後の曲を頼まれたときに、この「星月夜」の1番と2番を生かそうと思ったそうです。
3番は改作されています。


様々な理由で歌われなくなっていますが、私は、この曲が大好きです。
お父さんの無事を祈る子供とお母さん。
そこに栗の実がとても良い効果を与えて(と私は考えて)います。

知らなかった方は、是非一度だけでも歌ってほしい曲です。

恥ずかしながら、自分でも演奏してみました。