毎朝早く、つれだってあるく老夫婦がいました。

まさにつれあいだと思わせる二人でした。

奥さんは少し後ろを歩いていました。

それが、いつしか距離が離れるようになりました。

すこし足が悪くて杖を持っていました。

それでも、まだまだいっしょに歩いてあるなと思わせるものでした。

しかし、夫を見てひとしきり車を走らせてから奥さんの姿をみるようになりました。

夫は変わらぬペースで歩いているのです。

そしてこの夏、秋。

奥さんの姿を見なくなりました。

二人の住まいを知りません。

詳しい事情はわかりません。

そして今朝、夫が変わらず歩く姿を認めました。