まずは結果を早く知りたい人のための一覧表ぺろり。
比較元:掛川恭子訳(講談社・コラボ本)
村岡花子訳(新潮文庫・改定版)
村岡花子訳(講談社・青い鳥文庫)
奥付のタイトルの「ANNE」:新潮村岡訳が一致
マシュウ:新潮・青い鳥村岡訳が一致
グリンゲイブルズ:一致なし
ホワイトサンズ:掛川訳が一致
よくしてくれたかったには違いないと思う:新潮村岡訳が一致
ケティ:新潮・青い鳥村岡訳が一致
ヴィオレッタ:新潮・青い鳥村岡訳が一致
腹心の友:新潮・青い鳥村岡訳が一致
あの女の子:新潮村岡訳が一致
リンド夫人:新潮・青い鳥村岡訳が一致
リンド婦人:一致なし
樺の道をダイアナが名づけた:新潮村岡訳が一致
アイスクリームのことを考えてよ!:新潮・青い鳥村岡訳が一致
石板:一致なし
喉頭炎:新潮・青い鳥村岡訳が一致
バーリー夫人:新潮・青い鳥村岡訳が一致
アン、またはコーデリア:新潮村岡訳が一致
討論クラブ:全て一致
ジョセフィン伯母さん:新潮・青い鳥村岡訳が一致
お化けの森:新潮村岡訳が一致
命令ゲーム:一致せず
ジョーシー:一致せず
音楽会:新潮・青い鳥村岡訳が一致
パフスリーブ:掛川訳が一致、新潮村岡訳が一部一致
物語クラブ:掛川訳、青い鳥村岡訳が一致
アヴォンリー:新潮・青い鳥村岡訳が一致
白百合の乙女:掛川訳が一致
ダイアナみたいなこと:掛川訳、新潮村岡訳の表現が一致
では、検証スタートです。
まずは開始前の確認から。
高嶺:ジョーシーとの対決でアンが、屋根から落ちて……。そう、クリスマスの音楽会のプログラムの話。
高嶺:倒れたアンを見て、マリラが気付くところがあるでしょ?もう、本当の親子と同じなんだって。ちょっと、涙が出そうになっちゃった……。
24章までということですね。では今回の検証ワードは「ジョーシー」「音楽会」です。
まずは「ジョーシー」からいきましょう。
つぎはジョシー・パイがジェーン・アンドリューズに、右足をつかないで左足だけで、一度も止まらないで、庭をひとまわりしてみろと挑戦した。(掛川訳P.325より引用)
そのつぎにジョシー・パイがジェーン・アンドリュースに「命令」して庭をぐるっと左足だけで一度も休まずに、そして右足を地面につけないでまわるように言った。(新潮村岡訳P.318より引用)
次には、ジョシー・パイがジェーン・アンドリュウスに、庭をぐるっと左足だけで一度も休まずにまわるように「命令」しました。(青い鳥村岡訳P.229より引用)
というわけで「ジョーシー」はすべて一致していない。という結果になりました。私の手元の情報では今のところ一致する訳はないようです。では次は「音楽会」です。
その計画というのは、クリスマスの夜、アボンリーの学校の全校生で、公会堂でコンサートをやろうというものだった。もうかったお金は校旗を買う費用に寄付するという、立派な目的があるのだ。(掛川訳P.338より引用)
それはクリスマスの晩にアヴォンリーの学校の生徒で音楽会を催し、その収益で校旗をつくろうという計画であった。(新潮村岡訳P.332より引用)
それはクリスマスの晩に、アヴォンリーの学校の生徒で音楽会をもよおし、その収益で校旗を作ろう、ということでした。(青い鳥村岡訳P.238-239より引用)
「音楽会」については村岡訳(新潮・青い鳥)が一致しました。
今回は途中経過が1度拾えました。独り言は検証に値するものがなかったので割愛。
高嶺:マシュウのおかげでやっとアンがパフスリーブのお洋服を手に入れて、音楽会で大活躍して、そのあと物語クラブを作ったところ。
高嶺:買い物する時のマシュウ、あんまり可愛くて……しばらく思い出し笑いしちゃいそう……。
検証する単語は「パフスリーブのお洋服」「物語クラブ」ですね。この「パフスリーブ」は実は扱いに悩ましいところがあって、村岡訳は出てくる場面と出てこない場面があって表記にゆれがあるんですよね。25章から引用すると掛川訳ののみが一致するのですが、場面によっては村岡訳も一致するのです。
今回は、村岡花子訳にもパフスリーブはある、という証明のために25章以外の場面から引用してみます。11章からです。
「でも、もっと感謝できると思うの、もし……もし、その中の一枚でも、ふわっとふくらんでいるパフスリーブだったら。今、すごくはやっているのよ。パフスリーブの服を着られたら、うれしくて、ゾクゾクすると思うわ。」(掛川訳P.142より引用)
「(略)もし、この中のたった一つだけでも、ふくらました袖にしてくださったら、もっと、もっとありがたかったんだけれど。ふくらました袖はいまとてもはやっているんですもの。パフスリーブの服を着たら、なんともいえなくうれしくて、ぞくぞくっとすると思うわ」(新潮村岡訳P.136より引用)
「(略)でも、もし――もし、この中の一つだけでも、ふくらました袖にしてくださったら、もっともっとありがたかったんだけど。いまとてもはやってるんですもの。あれを着たら、なんとも言えなくうれしくて、ぞくぞくっとすると思うわ」(青い鳥村岡訳P.112より引用)
検証上の条件で考えれば少々微妙ですが、「パフスリーブ」は掛川訳が一致、新潮村岡訳が一部一致となりました。
さてもう一つの「物語クラブ」ですがこれも扱いが難しいなあ。愛花さんは「ものがたりくらぶ」と読んでいたと思うのでそれで検証してみましょう。これは章題からの引用となります。
26 アン、物語クラブを作る (掛川訳P.362より引用)
第二十六章 物語(ストーリー)クラブの結成(新潮村岡訳P.353より引用)
第二十六章 物語(ものがたり)クラブの結成(青い鳥村岡訳P.224より引用)
珍しく今回は新潮村岡訳が外れましたね。掛川訳は特にルビが振っていないためそのまま「ものがたり」と読ませると解釈しました。よって、「物語クラブ」(ものがたりクラブ)については掛川訳、青い鳥村岡訳が一致しました。
さて、読書終了。どこまでいきましたか愛花さん。
高嶺:アンの髪が緑色になっちゃって……その後、白百合の乙女のつもりでボートで流されちゃって……アヴォンリーじゃロマンチックは無理ってマリラに話したところ。
高嶺:ハァ……アン、いつになったらギルバートを許すんだろう……。あれ、わたし、ダイアナみたいなこと言ってる。
高嶺:ハァ……面白かった。アンみたいな子が本当にいたら、絶対”腹心の友”になるんだけどな……。
ということはええと、28章までですね。今回の検証は「アヴォンリー」と「白百合の乙女」ですかね。アヴォンリーについてはさっき「音楽会」で引用した部分を参照してください。「アヴォンリー」は村岡訳(新潮・青い鳥)が一致しました。さて問題の「白百合の乙女」ですが、これを検証に入れるか悩ましいところでしたが…一応入れましょう。
三人はそこで、ランスロット卿、グネビア王妃、アーサー王になって、白ユリの乙女エレイン姫を待ちうけていなくてはならないのだ。(掛川訳P.394より引用)
ここで三人はランセロットとギネビアとアーサー王になって白ゆり姫を待ち受けなくてはならないのだった。(新潮村岡訳P.385より引用)
そこで三人は、ランスロットと王妃ギネビアとアーサー王になって、白ゆり姫を待ちうけていなくてはならないのでした。(青い鳥村岡訳P.267より引用)
表記は百合ではなくユリなので一致としていいか悩ましいところですねー…。でも読みとしては一致しているので「白百合の乙女」は掛川訳が一致しました。とします。
あともう一つ。これは不具合スレでのレスで検証した部分についても触れておきましょう。「ダイアナみたいなこと」という部分についてです。これは比較検証になるか怪しいところですが、該当表現の有無も含めますので検証してみました。
「ギルバート・ブライスは、とくにすごかったわ。アン、ギルバートに対するあなたの態度って、
ちょっとひどすぎると思うわ。いいから、ちょっとわたしの話を聞いて。」(掛川訳P.360より引用)
「男の子のほうの対話もよかったと思わない?ギルバート・ブライスはただもう、すばらしかったわ。
アン、あんたのギルの扱い方って、ほんとうにひどいと思うわ。まあ、あたしの言うことをお聞きなさい(略)」 (新潮村岡P.351より引用)
青い鳥文庫は表記がありませんでした。このことから「ダイアナみたいなこと」は掛川訳、新潮村岡訳が一致しました。
さてさて読書後の感想タイムです。ここが最大のネタバレタイムなのですが、こういうところをうまく誤魔化したり調整したりするような工夫はなかったんかいなと毎度思います。
高嶺:アンって、あのままギルバートをずっと許さないつもりだと思う?
加藤:そりゃ無いだろ、ストーリー的に考えても。
高嶺:そうよね?でも……ギルバートにだけは、アンって意固地じゃない?あんなに素敵な男の子なのに。
1:明らかにアンのこと好きなのにな?
2:ちょっとキザ過ぎるだろ?
3:恋って、そういうものだろ?
加藤:明らかにアンのこと好きなのにな?
高嶺:そう思うでしょ?じゃあもしかして、アンは本当はギルバートが……。
ストーリー的にとか言うなよ主人公。こういうところがなんかこう、モヤっとする!モヤットモヤット!!
さて、あとは検証2回で終了です。最終回はほとんど検証ワードはありませんので、実質あと1回分検証したら終わりですね。すでに読書月間のToDoはクリアしてしまっているので、今日中に検証を終わらせて率まで出せたらいいなあと思っています。







