藪椿。



いつも傍に居てそっと微笑んでいた。


誰も気付いてはくれない。

無視されてる訳じゃない。

単純に気付かれていないだけ。


いつも傍に居てそっと微笑んでいた。


誰かを傷付けたこともない。

気にかけてもらうこともない。

いつだって傷付くのは私だけ。


棘がある訳じゃない。

酷いことを言うこともない。

主張しないでただ側に居るだけ。


どうして誰も構ってくれないの?

どうして誰も振り向いてくれないの?

私は独りなの?


散る様が不気味だから怖がって近付かないの?


春に生まれ夏が過ぎ秋になり冬を越えまた春を巡る。

永遠に繰り返すのだと未来を信じれなくなった。


やぁ、綺麗だね。
それにいい匂いがするね。

だれ?
私を蔑みに来たの?

僕はちゃんと君の存在に気付いてるよ。

やっと気づいてくれる人に出会えた。

君が見付けてポトリと花びらが落ちた。

もう後悔はないよ。

ありがと。

泪の代わりに花びらが落ちた。

落ちた花びらを大事に埋めて一言呟いた。


また来世でね。