炭焼き日本一の山本剛(やまもと・ごう)さんに炭の作り方を習う為に伊豆に行って来ました。
朝6時に到着した我々を日に焼けた素朴な笑顔で迎えてくれた剛さん。
到着して早々暖かいご飯と味噌汁を振る舞ってくた。
心地よい朝日と川のせせらぎの中で静かに食べる朝食から、最高の体験は始まった。
炭焼きをする前に剛さんは皆を炭窯の前に座らせ、体を緩める体操と呼吸法を教えてくれた。
ただ炭を焼くのでは無く、まずは炭を焼く自分を整える事から。
出だしから本格的だ。
今回はドラム缶を使っての炭焼き。
竹を割り屶で節を落とし、ドラム缶いっぱいに竹を詰めていく。
単純な作業だがこれが結構キツい。
剛さんが山から採ってきた粘土でドラム缶にふたをして、火を焚く。
ドラム缶の中の温度が上がった所で一段落。
お昼を食べたり、川で水浴びをしたり、剛さんに整体法を習ったり、大自然ならではのゆったりした時間が流れる。
ここで新しい発見があった。
川で水浴びをした時に川の水でシャツを洗ってみた。
乾いてから着てみると、大自然の匂いとサラサラの肌触り、洗剤も洗濯機も使ってないのに本当に心地良い。
人間は自然の一部なんだなとまた実感。
夕食前に皆で竹を使った灯籠を作った。
これを夜になったら明かりとして使う。
夕食で使うお皿やコップも全て竹で作る。
夕食は剛さんが作った炭を使って、剛さんの畑で出来た野菜と剛さんがとった野生のイノシシを料理。
いよいよ日も沈み、竹で作った灯籠の淡い光の中で皆で夕食を囲む。
大自然の中で、大自然からとれた命を食べる。
美味しさと幸せで涙が出る。
食事をする時に感謝をするのでは無く、食事をしていると自然と感謝の気持ちが出てくる。
初めての感覚だった。
夕食を食べ終え皆で晩酌、竹で作った笛やディジュリジュを演奏する人、歌を歌う人、星空を楽しむ人、それぞれが色々な過ごし方をしている時、ふと剛さんの奥さんが目にとまった。
一人で静かに腰掛け、微笑みながら竹灯籠の火を眺めていた。
そばに行くと「人間はシンプルに生きるのが一番だよ、本当に幸せだねぇ」と語り掛けてくれた。
自然の中で畑を耕し炭を焼いて生きる。
これは簡単な様で実際は大変だ。
シンプルに生きる事は最も自然で最も難しい。
実はこの数日前に台風によって畑の作物がほとんどダメになっていた。
それでも自然が一番だと言える剛さんや剛さんの奥さん。
本当に尊敬出来る人達だ。
翌日はいよいよ炭出し。
少し失敗して半分以上灰になってしまったものの、ちゃんと炭も出来ていた。
炭焼きの工程が全て終り「スウェットロッジ」の体験へ。
スウェットロッジとはインディアンがやっていた儀式で、テントの中に焼いた石を入れてそこに水をかけ、サウナ状にして中に入り精神鍛練をする。
今回は剛さん流スウェットロッジで、炭焼き窯の中に石をいれて体験した。
全ての体験を終え、剛さんと抱き合い今回の炭焼き合宿は終了した。
今回気付いた事は、自然の中では人間は怒りや悲しみと言う感情は忘れてしまい、感謝や喜びの感情が自然と出てくると言う事。
そして剛さんの口癖から学ぶ事も。
剛さんは竹を切ったり炭を焼く時には「竹を楽しんで」と言い、食事をする時には「自然を食べる事を楽しんで」と言う。
そして寝る時には「寝る事を楽しんで、素晴らしい世界へ行って来て下さい」と言ってくれた。
生きる事は楽しむ事、そして自然は楽しいと言う事を教えてもらう事が出来た。
楽しんで生きようとするのではなく、自然の中では生きている事がそれだけで楽しい。
自然から離れると全てが不自然になる。
自然の中でこそ人間は本来の力を発揮出来るのではないだろうか。
自然を感じ、自然で表現し、自然を体現する、本当に基調な体験が出来た2日間だった。