読み切り小説:マリンブルーの夢 | 勝利だギューちゃんの、果報は寝て待て

勝利だギューちゃんの、果報は寝て待て

変わらない今日と、変わろうとする明日を・・・

☆マリンブルーの夢

 

 

僕の居場所。

深く青い海。


僕は、そこにいる。

 

僕は、イルカ。
人間は、そう命名した。

ドルフィンと呼ぶ国もある。
こっちの方が、響きがいい。

 

僕らには、セラピストの仕事をしている仲間もいるが、
正直、僕らには人を癒す力はない。

 

でも、見るだけで癒されるのは、役得かもしれない。

 

時々、水面から顔を出す。
そこには、空が広がっている。

 

あの空は、どこまで続くんだろう?

海よりも広いのかな?
飛んでみたいな・・・

 

あの空を飛ぶ生き物は、何だろう?

 

鳥?

 

でも、あの小さい体には、僕は乗れないな。

でも、夢でいいからあの空を飛んでみたい。

 

「おーい。何してるんだ?行くよ」

仲間が声をかける。

 

そうだ・・


僕は行かないと・・・

僕には僕の生活がある。
空は、また今度考えよう。

 

今を大切に・・・

 

いつか、空を飛べるはず。

深く青い海が、僕の居場所。

 

ここに生を受けた事に、ありがとう。