読み切りなので、全員に公開します。

こちらでも・・・

 

☆5分間の同窓会

 

「ねえ、たまには会いに来てよ。待ってるんだから・・・」
「そうは、言っても・・・」
「いつも思うんだけど・・・」
「えっ?」
「どうして君は、私に何も言ってくれないの?」

 

目が覚めた・・・


「何で今更、あの子の夢を見るのだろう・・・」

高校時代、クラスに人気者の女の子がいた。
とても明るくて、彼女の周りには、いつも人がいた・・・

僕もその子が好きだった。
但し、恋とも友情とも違う・・・
敢えていうなら、ファン・・・

それで、十分だった・・・

 

その子は、人を嫌いになることは、あまりなかった・・・
そう、あまり・・・


つまり、少なからず、嫌いな人もいた・・・
その中に、僕はいた・・・

 

僕は、その子に嫌われていた・・・

でも、それでよかった・・・

 

そして、高校を卒業した・・・
そして、すぐにその子から手紙が来た・・・

「今、旅行会社に勤めています。
よかったら会いに来て下さい」と・・・

あからさまな、社交辞令だった・・・
なので、本気であるはずもなく、僕は行くことはなかった・・・

 

しばらくして、ツアーの招待の封書が来た。
今回も、当然無視をした・・・

 

「ねえ、たまには会いに来てよ。待ってるんだから・・・」
「そうは、言っても・・・」
「いつも思うんだけど・・・」
「えっ?」
「どうして君は、私に何も言ってくれないの?」
「それは、君自身が、わかってると思うけど・・・」
「何?」
「君は、僕が嫌いだろ?」
「私、そんなこと、一度でも言った?」

言わなくてもわかる・・・
どんなに鈍くても、それくらいは、わかる・・・

さすがに、諦めたのか・・・
手紙は、来なくなった・・・

 

試しに、その子の勤めている旅行会社に行ってみたが、英会話塾になっていた・・・
住所は、間違いない・・・
手紙も、その旅行会社のハガキや、封書だった・・・

少なくとも、これに関しては嘘ではあるまい・・・

もう、その子とは、会う事はないと思っていた。


しかし、神様というのは、時に気まぐれを起こす。

ある日、電車の中で偶然会ってしまった・・・
乗っていた駅が、途中の駅に停まった・・・


そして、その駅でひとりの女性が乗ってきて、僕の前に立った・・・

すると、その子がいた・・・
笑顔だったのは、覚えている・・・

席をずらすと、その子が隣に座った・・・


「元気?」
「うん」
しばらくは、会話がなかった・・・

「ねえ、どうして会いに来てくれなかったの?私、待ってたのに・・・」
「知りたい・・・」
「・・・うん・・・」
「迷惑かけたくなかったから・・・」
それ以降、会話はなかった・・・

 

次の駅で僕は降りた・・・
乗車時間は、5分・・・


「じぁあ、元気で・・・」

その子は一言だけ言った・・・
「ありがとう」と・・・

それっきり、その子とは会っていない。


しかし、夢は時々みる・・・

なぜか、夫婦になっていた・・・

 

その子と最後に会った日は、僕の誕生日だった・・・
神様がくれた、プレゼントだったのかもしれない・・・

 

Fin