在宅血液透析を行っていると、予期せぬトラブルに直面することがありますよね。
特に「自己穿刺のスランプか?」と悩んでしまうような、原因不明の静脈圧上昇は本当に焦るものです。
今回は、私が実際に経験した「夏場ならではの静脈圧上昇トラブル」と、その意外な解決策についてシェアしたいと思います。同じような症状で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
1. 毎回の恐怖:透析開始直後の静脈圧アラーム
ある時期から、在宅での透析開始直後にこんな現象が頻発するようになりました。
経過:
自己穿刺直後、順調かに見えた静脈圧が急上昇。
透析開始時 100 だった静脈圧が、わずか 5 分後に **180 ~ 200(警報)**へ。
血流(BP)を 120 に下げて様子を見ると 150 に低下
しかし暫くすると、ストンと70 ぐらいに低下
静脈圧下限警報!
よし、これで大丈夫。
BP を 250 に戻して、いつもの透析に❗️
こんなバタバタした状態が、ここ2週間、毎回 30〜40分 も続くのです。
「もしかして自分の自己穿刺の腕が落ちた? スランプに入ったのか……?」と、毎回精神的にも大きな負担を感じていました。
2. 施設透析での検証:針は完璧、なのに圧が上がる
あまりの不安定さに耐えかね、施設透析(病院)での診察日に、スタッフの方々と一緒に原因を探ることにしました。
穿刺前後に、看護師さんが携帯エコーでバスキュラーアクセスを確認してくれたのですが、針はきちんと血管内のベストな位置に留置されています。 技術的な問題ではありませんでした。
そしていざ透析をスタートすると……。
病院の環境でも、やはり静脈圧が 200 まで跳ね上がりました。
すかさず、以下のような処置が行われました。
①生食ウォッシュ: 生理食塩水でルート内を洗浄。
②血栓の吸い出し: 針先のチューブを外し、生食が入った注射器で血液を一度吸い込んでから注入。
これにより、一時的に静脈圧は 130 まで下がりました。
③しかし再上昇: 暫くすると、また静脈圧が 190 まで上昇。
④臨床工学技士さんの名判断:「液温」の魔術
ここで臨床工学技士さんが一つの提案をしてくれました。
「透析液の温度を 37.2℃ に上げてみましょう」
液温を上げたところ、5分以内に静脈圧が 120 までスッと下がりました。
理由を聞いてみると、どうやら**「夏場で血液が濃くなっていること」**が関係しているようです。
血液の粘度が高まることで、針先に微小な血の塊(あるいは血小板の凝集など)ができやすくなり、それが静脈圧を上げていたのです。液温を上げることで血流がスムーズになり、この現象が解消されたというわけでした。
静脈圧安定したら、液温を36.6に戻します。
暑いですからね。
実は、他の患者さんでも夏場に同じような症状になる方がいらっしゃるそうです。「自分だけじゃなかったんだ……」と、この時かなりホッとしました。
4. 現在の対策と今後の予定
この発見以降、私の在宅血液透析スタイルも少し変わりました。
夏場の対策:
在宅透析の開始時から、液温を 37.2℃ に設定。
静脈圧の上昇はあるものの、BP 230 でスタートすれば 15分程度で安定 するようになりました。
「夏場だけでもこの対策で乗り切れるなら一安心」といったところです。
医学的なアプローチ:病院にて実施
病院での検査ではヘモグロビンが 12.5 と高めだったため、血液が濃くなりすぎないように**半瀉血(血液を少し抜く処置)**を行いました。
私は、この事象ある間だけバイアスピリンの処方対応を主治医に相談したところ、その手もあるが、まず半瀉血を先にとなりました。
また、上腕の血管で 2.7ミリ と少し細いところがあり、安全性をさらに高める目的で、念のため後日 PTA(経皮的血管形成術) を実施予定です。まだ、刺せますが、静脈圧上昇課題もあり念のためにとのこと。
まとめ
在宅血液透析では、ちょっとした体の変化や季節の変動(特に気温・室温・水分バランス)がダイレクトに回路に影響を与えるようです。
「穿刺が下手になったのかな」と一人で抱え込んで悩んでいましたが、医療スタッフの力を借りてエコーで見てもらい、温度調整というロジカルな解決策にたどり着くことができました。
もし夏場や季節の変わり目に「理由の分からない静脈圧上昇」で悩んでいる方がいたら、透析液の温度調整や、血液の濃さ(Hgb値など)に目を向けてみるのも一つの手かもしれません。
安全で快適な在宅ライフを、一歩ずつ作っていきましょう!
