次の日。


下嶋と永田は放課後、屋上にいた。下嶋がバンドへ誘った後、永田はボーカルを下嶋はギターをやる事を決めていた。


永田「なぁ、しげちゃん。俺達2人でバンドやるの?」


下嶋「予定では全部で5人。あと3人探さないと…」


永田は少し離れて寝そべっている山田に声をかける。


永田「山田~!」


山田「俺はやんねぇよ!昨日言っただろ!」


山田はつれない返事をする。


永田「…まぁ、とりあえず練習するか。」


下嶋「そうだね。」


とりあえず下嶋のギターの練習を始めた2人。初めて弾くギターに下嶋は悪戦苦闘していた。永田もギターはあまり得意ではないらしく、雑音並みの音が鳴り響く。


山田(うるせぇな、あいつら!)


下嶋の雑音は一向に止まらない。その音にイライラしていた山田は、どこかに電話をし始めた。


山田「もしもし!俺だけど…」


電話をしている山田の事に気付いた永田は聞き耳を立てるが、下嶋の雑音でよく聞こえなかった。

山田は電話が終わるとまた寝そべった。

その数分後。屋上に可愛らしい少女が姿を現した。


山田「素子!こっちだ。」


優香「⁈…『素子』と呼ぶなといつも言っているだろう。」😠


山田「ごめん優香。」


優香と呼ばれた少女は山田と親しげに話している。


『大林 優香(おおばやし ゆうか)』

山田克哉の友達。昔、2人は同じグループに所属していた。名字が『大林』ということもあり、元バレーボール選手の大林素子さんの『素子』がニックネームになっているのだが、山田にだけはそう呼ばれるのを嫌がっていた。


それを見ていた永田は、


永田「その女の子、山田の彼女?」


山田「………まだダチだよ…」


優香「そう、まだダチだ。…克哉は奥手だからな。」


山田「ぶっ!お前何言ってんだよ!」


優香「違うか?私はずっと待ってるのに。」


永田「…山田、告白しないの?」


山田「はぁ⁈何がだよ!」😳


優香「ほらな。」


山田「…くっ!そんな事より優香!あいつにギター教えてやれ!」


山田は、はぐらかす様に下嶋を指差す。


優香「私が教えるのか?」


山田「そうだよ!あいつギターで雑音しか出せないんだ!そのせいでこっちは昼寝も出来ないんだよ!」


優香「…しょうがない。」


優香は仕方なく下嶋にギターを教える事にした。優香は人に教えることができるほどギターが上手かった。

下嶋は優香のおかげでみるみる上達してゆく。そのうち、基本的なコードはほぼ覚えてしまった。


優香「なかなかやるじゃないか。」


下嶋「ありがとうございます!優香さん!」


下嶋に一通りギターを教えた優香は山田のところへ行く。



優香「克哉。あんたに渡したい物がある。」

山田「渡したい物?」

優香「ちょっと待ってろ。」


そう言うと優香は一旦校舎の中へ入り、何か荷物を持って帰ってきた。その荷物を山田に渡す。


優香「これだ。」

山田「…これは⁈」

優香「あんたの相棒だ。」


それはベースだった。


つづく