優香は克哉に『あんたの相棒だ』と言いながら『ベース』を渡した。
永田「ベース…?」
優香「…なんだ、まだ話してなかったのか?」
山田「…話してないんじゃなくて、話さないんだよ。」
永田「どういうこと?」
優香「克哉は昔、私達と一緒にバンドを組んでたんだ。」
山田「おい!優香!」
永田「山田がバンドを⁈」
下嶋「ならなんで僕の誘いを断ったんだ?」
優香「まだ人を信用できないのか?」
山田「………」
永田「信用…できない…?」
優香「克哉は…昔、1番信頼してた人に裏切られたんだ。」
山田の脳裏に嫌な思い出が蘇る。
山田「…やめろ…」
優香「その人はバンドのリーダーだった。ルカは兄みたいに慕っていた。」
山田「やめろって…」
優香「それなのにそのリーダーは…」
山田「やめろって言ってるだろ‼︎」💢
優香「⁈」
山田の怒鳴り声に一瞬驚いた優香だったが。
優香「……克哉のベースを勝手に持ち出して中古屋に売りさばいたんだ。」
山田「ええっ⁈普通そこは怒鳴ったらやめるところだろ⁈」∑(゚Д゚)
優香「そうなのか?」
山田「………」
優香は気にせず淡々と話しを続ける。
優香「克哉は裏切られたショックで病みに堕ちたんだ…。私はそんな克哉を見ていられなかった…」
山田「…優香…」
優香「私は克哉を連れてベースを探しまくった。そして何件目かの中古屋に入った時、見つけたんだ。克哉のベースを…だが、やっと見つけた時にはもう手遅れだった。」
下嶋「手遅れ?」
優香「克哉のベースはすでに買い手が決まっていた…!」
山田は観念したかの様に話し出す。
山田「親父から貰った、結構高価なベースだったからな…」
下嶋「…それで諦めたんですか?」
優香「いや。…私達は新たな持ち主のところまで行ったさ。返してもらうように言ったら、とんでもない条件を突きつけてきた。」
永田「………」
優香「中古屋で買った時のの販売価格、100万円の倍額。200万を出せ。と言ってきた。」
永田「に、200万⁈」😱
山田「…俺はその時まだ中2だったからな。200万なんて未知の金額だったよ…」
優香「私達は諦めざるおえなかった…」
優香は悔しそうに下を向く。
そんな優香に山田は話しかけた。
山田「でも優香。そのベースをなんで今お前が持って来たんだよ!」
優香「…3年間バイトして貯めたお金、200万で買い戻したんだ。」
山田「おいお前!なんでそんな…⁈」
山田が驚くと優香は瞳から大粒の涙を流した。
優香「私は!あんたの為だったら何だって出来る!どんな事だって…あんたの落ち込んでる顔なんてもう見たくないんだ。」😢
山田「優香…」
優香「私は克哉がバンドをやっている姿が好………この言葉はまだ言えないな。バンドをやってるところを見ていたいんだ!」
永田「…『好き』って言っちゃえばいいのに。」
優香「女に好きって言われて付き合う男に、私は興味はない。それに私は克哉を信じてる。いつかきっと告白してくれるって。」
山田「………優香が俺の為に働いて相棒を取り返してくれた……そんな優香にそこまで言われてやらなかったら……俺は男じゃあねぇよな…。よし!決めた!相棒も帰ってきた事だし、俺もバンドに混ぜてもらうぜ!」
永田「告白はしないんだ。」
山田「うっさい!そんなもん、音楽コンテストで優勝したら嫌という程言ってやんよ!」
優香「うん!私、ずっと待ってるからね❤️」
こうして山田が新たなメンバーとして加わった。
下校時間が迫り、山田と優香は帰っていった。
下嶋は永田に借りたギターを返す。永田は下嶋がギターをやりたいと言うと速攻で家からギターを持ってきて、下嶋に貸していた。
下嶋「永田くん、ギターありがとうございます。」
永田「………それ、やるよ。」
下嶋「ええっ⁈でも…」
永田「俺には、もう必要ないからな…」
ぐる「………」
そう言うと永田は『じゃあな』と帰って行った。
つづく