ゆりかもめ
休日、ゆりかもめ新橋駅ホーム。
人がドアから溢れ出て出発時刻を待っていた。
ホームに片足、車内にもう一方の足を置いてボーっと待っていると中年のオバサンが息を切らしてドア口まで駆け寄って来た。
ん?
「ねぇ、これはどっち方面?」
「全部有明、同じ方面ですよ。」
「あぁ、そう?じゃぁ日の出駅には停まるのね。」
「停まりますよ。確か2つ目か3つ目だったと思います。」
軽くうなずくと、オバサンは謝りながら車内に自らを押し込んで一緒に出発を待った。
前日の夜に日の出駅付近で夕飯を食べたので少し気になって聞いてみた。
「日の出駅では何をされる予定なんですか?」
少し驚いた様子でこっちを見る。が、オバサンは突然体制を取り直し、おしゃべりモードに入った。
「あのね、これから船に乗るのよ。友達と待ち合わせてたんだけど、なかなか来ないと思ったらもう…あの人あっちで待ってるんだってさ。本当にもう。私ゆりかもめなんて全然乗らないからわからなくてね…ごめんなさいね。まぁ、暑いわねー。」
「おぉ。船ですか、良いですねぇ。」
ちょうど前の晩に日の出桟橋から出航する洒落た船を見たので実際少しうらやましかった。
そんな具合で話をしていると日の出駅に到着。オバサンは身体に似合わない軽い足取りでさっそうと駅の階段を降りてクルーズへと向かっていった。
目的地の台場駅に到着すると出口付近&階段付近という幸運が重なって一番で改札を通過した。気持ち良い。
日航ホテルの入り口付近で、ファンファーレを浴びながらカメラに追われ式を挙げているカップルが記念撮影をしていた。
「おめでたいなぁ。幸せになるのかなぁ、あの二人。」
などとのん気に思いをめぐらせていたら、隣を歩いていたオバサン4人組から思いもよらぬコメントが飛んできた。
「全くもう、あんなにカッコつけて…どうせこうなっちゃうんだから。ねぇ?ギャハハハ!」
オバサンのパワーを強く感じた朝だった。