労働基準法の適用事業となったとき(業種を問わず、労働者を使用するに至ったとき)に、所轄労働基準監督署長に報告しなければなりません。労働基準法第104条の2(労働基準法施行規則第57条)
労働者を雇い入れた時から労働基準法の適用事業所となります。
適用事業報告はその事実を所轄労働基準監督署長に報告するための書類です。この場合の労働者とは、臨時労働者、季節労働者、パートタイム労働者、アルバイト等を含みます。ただし、同居の親族を雇い入れた場合には提出する必要はありません。
労働者を雇用するようになったら、遅滞なく提出しなければなりません。しかし、「労働者を雇って事業を開始したのだから労災保険や雇用保険の手続きをすればいいのでは?」と考える、中小企業経営者も多く、この報告書の提出を忘れている会社もかなり多いのが実態のようです。
適用事業報告を提出していない場合、最大で30万円の罰金を科される可能性もあるのですが、建設業など一部の業種を除き、行政官庁もあまり厳しく取り締まっていないのが現状のようです。
ご自分の会社でこの書類を提出していない場合は速やかに提出した方がいいでしょう。書類提出を怠っていて重大な労働災害などが起こってしまった場合は、刑事罰の対象となることもあります。
労働者を一人でも使用すれば 労災・雇用の保険関係が成立します
パート・アルバイトなど、臨時・短時間の労働者を雇用する場合にも労災保険と雇用保険の手続きは必要になります。
①保険関係成立届、②概算保険料申告書(労働保険徴収法)
労働保険の適用事業となったときは、まず労働保険の保険関係成立届を所轄の労働基準監督署又は公共職業安定所に提出します。そして、その年度分の労働保険料(保険関係が成立した日からその年度の末日までに労働者に支払う賃金の総額の見込額に保険料率を乗じて得た額となります。)を概算保険料として申告・納付します。
③雇用保険適用事業所設置届、④雇用保険被保険者資格取得届
雇用保険の適用事業となった場合は、上記のほかに、雇用保険適用事業所設置届及び雇用保険被保険者資格取得届を所轄の公共職業安定所に提出しなければなりません
労災は事業所単位で適用されるため資格取得届はありません
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_2.htm
労働保険成立手続き
健康保険や厚生年金保険は、法人であれば強制適用されます。たとえ社長1人の会社でも適用されるので、加入手続きが必要です、また、労働保険と違い法人の役員(非常勤を除く)も被保険者になります
個人事業所でも常時使用する労働者が5人以上であれば適用事業所です
①健康保険・厚生年金保険新規適用届
②新規適用事業所現況書
③健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
④健康保険被扶養者届
⑤健康保険・厚生年金保険保険料納入告知書送付依頼書 を提出します
労働安全衛生法上の常時使用の労働者
この場合の労働者数としてはパートの社員も1人と数えます。例えば週に1日だけ働く人でもそのような人が10人おれば、実質労働時間が常勤者の2人分にしかならなくても10人と数えます。労働安全衛生規則の第13条の専属産業医の必要な事業場の「常時千人以上の労働者を使用する事業場」や衛生管理者の選任に関する第7条での常時使用する労働者数は全てこのように数えます。
ただし、一般健康診断を行わなければならない労働者は「同種の業務に従事する通常勤務者の1週間の所定労働時間の3/4以上勤務する者」で「1年以上使用されているか使用されることが予定されているもの」となっています(H5.12.1、基発663)。
雇用保険は常時使用の労働者ではなく
適用される労働者は、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、且つ、同一の事業主に引き続き31日以上の雇用見込みがある場合は、「被保険者とならない方」を除き、原則として雇用保険の被保険者となります。
労災は、原則として、常用、日雇、パート、アルバイト等、名称及び雇用形態にかかわらず、労働の対価として賃金を受けるすべての労働者が対象となります。
ただし、船員保険の被保険者は適用がありません。
健保・厚生はパート・アルバイトが被保険者の対象となるか否かの判断は、同じ事業所で同様の業務に従事する一般社員の労働日数、労働時間等を基準に判断することになります
《判断基準》
次の①及び②のいずれにも該当する場合は原則として被保険者とされます。
① 労働日数 一ヶ月の所定労働日数が一般社員のおおむね4分の3以上である場合
② 労働時間 一日又は一週の所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上である場合
※「4分の3以上」の判断基準はあくまでもひとつの目安であって就労形態等を考慮し、総合的に判断されます
常時使用の従業員の取り扱いについて、労基法20条の「予め解雇の予告を必要」とする
ものを従業員とします。
正社員に準じた労働形態である場合も従業員とします。
解雇予告の必要のあるものは 正社員のみならず 次の者も含みます
日々雇い入れられるものが、一か月を超えて引き続き使用される場合、
2か月以内の期間を定めて使用される者が 2か月を超えて引き続き使用される場合、
季節的業務に4カ月以内の期間を定めて使用される者が 4か月を超えて引き続き使用される場合、
試みの試用期間中の者が 14日を超えて引き続き使用される場合、
等は解雇予告の必要があるものであり、常時使用する従業員となります。
したがって パート・アルバイトを含みます、派遣は含まれません、派遣元でカウントします。
出向者は雇用関係があれば含まれます、