「私は日本人の素晴らしさは「思いやり」が豊かな民族
であると思っていました。思いやりの根底には、たいへ
ん残念なことですが、モノとカネが優先することが多く
なっておりますネ。 ポケットとポケットの付きあいから
は何も遺りません。 私たち南方特別留学生が日本で
教育を受けたころの日本は、現在の日本とは比べるこ
とができないほど貧しい国でした。しかも、あの当時の
日本は、全身傷だらけになって、アジアを西欧植民地か
ら解放するための大東亜戦争を戦っておりました。 私
たちはその貧しい戦時下の日本で、「日本の素晴らしさ」
を与えられました。
あの当時の日本人は、心と心がふれあう交わりをもって、
アジア諸国に偉大な遺産を遺してくれました。すなわち
四百年の永きにわたった植民地体制を打破し、アジアの
青年たちに民族自決(独立)を戦いとる決意と覚悟を与
えてくれたのです。 私たちは、日本の青年が命を捨て
血を流して遺してくれた、尊い偉大な遺産を基にして、
祖国の独立とアセアンの結成を成し遂げたのです。
繰り返しますが、ポケットとポケットの付きあいからは、
将来のために何も遺りません。どうか日本とアジアの交
流には、「心と心のふれあい」を根底(下じき)にして、
日本とアジアの次世代の青少年たちに、より良い遺産を
遺すように、お互い心がけようではありませんか」
ラジャー・ダト・ノンチックという元マレーシア上院議員の
残した言葉です。
戦前を知らない私達は、戦前の日本を非常に歪んだ視
線で捉えているような気がします。
私達の祖母達に話を聞けば、必ずしも戦前の日本が悪
い社会では無かったような気がします。
ただ、ノンチックさんも仰っている通り、現代では考えら
れ無いほど日本は貧しかったのも事実です。
それこそあの"おしん"に見られる社会があの時代であ
ったと言えます。
それでもあの頃の日本は、今よりも活気に充ち、人に対
する思い遣りも今より遥かに厚いものだったと思います。
日本を心から愛する事は、他国をけなす事からも、侵略
する事からも生まれません。
むしろ社会発展の遅れた国に対して平和的な外交によ
り、彼の国が立派に発展する手伝いをする事です。
古き良き日本人の"こころ"を取り戻したいものです。