*このお話は、全て私の妄想で、
フィクションであり・・・願望です(笑)
妄想劇場「デビルズ・サンデー
:小悪魔がささやいた日曜日」
第23話・・・置いてけ堀
滞りなく予定の仕事を終えて、
メーカー本社を出たのはお昼少し前だった。
仕事の成功を予見できたのか、
笠谷社長はニコニコしていて
お昼ご飯をご馳走してくれるという。
ありがたくご馳走になることにした。
笠谷社長は、新宿御苑に隣接するパーキングから車を出し、
南口前から新宿駅をグルッと回るように、
都庁方面に向けた。
「部長。なにか食べたいものありますか?
良ければトンカツ付き合ってくださいよ。」
聞くと、笠谷社長は受注した仕事の成功を願って、
カツを食べたいと…
『カツ』・・・『勝つ』・・・良くある話だ。
都庁の地下駐車場に車を止め、
連れていかれたのは、
都庁舎に隣接するNSビルの中にある
『伊勢』というとんかつ屋だった。
笠谷社長のゲン担ぎなので、
メニューもお任せした。
運ばれて来たのはランチメニューの
『上ロースかつ定食』¥1050也。
流石にかつの専門店だ。
軟らかいカツと小さいすり鉢で
自分で挽いたゴマを混ぜたソースの味が
絶妙なマッチンGoo~(≧∇≦)b だ。
「部長は歌舞伎町なんかで遊んだりするんですか?」
それまで、仕事の話一辺倒だった笠谷社長が
薮から棒に聞いてきた。
「歌舞伎町どころか、
最近は遊んでないですねぇ」と答えると
「そうですか。
私も昔はよく歌舞伎町に行きましたがね、
最近は行ってないなあ。
新宿コマ劇場の側にある
『深海魚』っていうソープランドにいい女がいましてねぇ。
そのくせ、100分コースで総額¥35000の安さ。」と
自分の武勇伝を自慢したそうに話始めた。
俺も若い頃はそこそこ遊んだが、
いつも横浜か川崎だったので歌舞伎町は未知数だった。
以前に一度誘われて来たことはあったが、
夜の歌舞伎町は、横浜なんかと違い、
異様なほどの胡散臭さが満載だった覚えがある。
その時は遊ぶどころか、
居酒屋で軽く呑むだけで帰ってしまったんだった。
そんな話をしていると笠谷社長の携帯が鳴った。
「なにっ?
そんなことそっちで対処出来んのか?
うん…
うん…
わかった。
じゃあ現地で」
周りのことも気にせずに
声を荒らげた笠谷社長は電話を切ると
「部長。すみません。
別件でね、ちょっとしたトラブルが起きまして…
これからお台場のお客さんとこに
行かなくちゃいけなくなっちゃって…」と
言いにくそうに切り出した。
「ああ、この業界ではよくあることですよね。
社長もお忙しくて大変だ。
いいですよ、私は電車で帰りますから。
お気になさらないでお客さんとこ向かってください。」
そう笑顔で答えながら、
俺って優しいよなって自分を褒めてあげていた。
「部長、ホント申し訳ない。
今度お詫びに歌舞伎町、案内しますから」
そう言ってテーブルの伝票を鷲掴みにした笠谷社長は、
慌てて店を出て行った。
良かった…
会計してくれたことに感謝しながら
食後のお茶をすすった。