前の会社にすごい人がいた。
言われる前にできて当たり前。
言われる前にできてなきゃ終わり。
言われてできなきゃ一環の終わり。
がモットーで、自分にも部下にも平等にそれを求める。
30歳とちょっとで突然専務に呼び出され、(大きい会社なので通常の社員は専務と直接話すことはない)
「今日から新規開拓部隊をやれ」
と課をまるごと託されるとともに、会社至上最年少の課長に任命された。
それまで大きな企業の一つのはぐるまとして、大きい得意先の大きい仕事を今までのやりかたを
「守る」という姿勢を叩き込まれてやってきた人々に、
「目を覚ませ、今までのやりかたで通用する時代はもう終わったんだ、立ち上がれ、ぶちこわせ、攻めろ」
と叩き込むこと1年。
課長自ら飛び込み営業を繰り返し、新規部隊は既に数億の実績を作り上げていた。
社会人4年目の春。
既に辞表を提出していた私が専務の呼び出しを受けて宣告された内容は、
その新規開拓部隊への異動辞令。
「やつの下でやることは、君の人生にとってプラスだ。」
「去年発足の段階で君を呼びたかったが、女性ということで二の足を踏んだ。申し訳なかった」
「考え直してやってみないか。会社として、新規開拓部隊に女性の実績が欲しいんだ」
会社を辞めて以前からの夢を実現させようと決めたし、一度結論を出したらそちらへしか向けない私だが、このときばかりは直感的にやってみようと決めた。
本当はくやしかったのかもしれない。自分を発揮しきれていない、と感じたまま辞めていくことが。
そして前から興味があった。直感的に、おそらく自分に合うだろうと思った。
新規開拓部隊。
その日のうちに課長が動いた。
呼び出された喫茶店で、開口一番こう聞いた。
「ほんとにやる?」
「やります」
「わかった。なら今から洗脳してやる。これまでやってきたことなんてむしろ邪魔だから捨てろ」
そしてつきっきりマンツーの指導がはじまった。
ノートとペンをもったままどこでもついていった。
彼と過ごした1年弱、本当に学んだ。
今の私の基本は全て、あそこで培ったものだと思っている。
それらはまた小出しにしていきます。