New JAMの本棚-099

 

 

『ジュエリーの発展は印刷術と関連あり』

 

 

 

 

 

この本は私が独立して暫くしてから買ったものだ。

もう30年前のことになる。

それ以来時々本箱の隅っこから取り出しては拾い読みしてきた。

直接ジュエリーとは関係ないのだが、

ジュエリーの歴史を見ていると、リバイバルジュエリーの変遷が目につく。

リバイバルに贋作はつきもので、

贋作が多くなってくるのはいつ頃のことだろうかに興味を持つ。

そしてリバイバルや贋作は、印刷術の発明で容易にカタログが作られ、

そのカタログを手に入れた作家たちが面白がって模索を試みる。

勿論現物から模倣すると言うことも当然あるわけで、

こちらの方が、より克明にオリジナルに近づくことになる。

しかしオリジナルを手に入れると言うのは、当然ながらお金がかかるし

それよりはカタログの方が沢山のモノを見ることができるから

自分の作りたいジュエリーのイマジネーションを膨らませることが可能だ。

そして、ジュエリーの歴史を研究する過程で

ルネサンス時代のジュエリーや工芸品は

意匠や技法が面白いほどに多岐に渡るのだ。

ルネサンスは現在のジュエリーに最も近い意匠や技法が現れてきた時代で

これ以降、

リバイバルやフェイクのジュエリーが多く出回ってくる。

恐らくそういった意図があって、この本を買ってしまったのだろう。

小説のストーリーはそれほど面白いわけではないのだが、

時代設定がルネサンス末期、日本で言えば安土桃山の時代になる。

そうなのだ、

本阿弥光悦や俵屋宗達、角倉素庵が「嵯峨本」なるものを作っている。

この豪華峰は凸版印刷に収蔵されていて

江戸川橋にあった凸版本社(現在の印刷博物館?)まで本物を見に行った記憶がある。

ジュエリーが日本に輸入されるのは明治期になってからだが、

ルネサンスと安土桃山時代の印刷の歴史に

間接的にジュエリーが関わっているとしたら面白い。