日本の美意識memo/note-011
『琳派とは何だろうか(4)』
恐らくこのような比較をした人はいないのではないだろうか。
上の絵はアンリ・マチス(1869-1954)の「ダンス」であり
下の絵は俵屋宗達(1570-1643*生没年不詳)の舞楽図屏風(醍醐寺)である。
時代も様式も全く違うし、ましてやマチスが宗達を知ってはいない。
にも関わらず、私はこの絵に或る種の共通性を見てしまう。
それは人間が無心に「踊る動き」と言う行為を
装飾的な美の中で捉えた表現としての同質化なのである。
これほどまでに人間の一瞬の動きを見事に描いた絵はあまりないだろう。
宗達の生きた時代は、
狩野派や長谷川派に代表される絢爛豪華な屏風絵である。
そしてそれは自然が織りなす静の世界でもある。
一方マチスの生きた時代は、
対象物を立体的に捉え、解体し再構築するキュビズムと
あらゆるものが変容していくシュルレアリスム、
そして色と形のフォービズムが新しい表現として動き出していた。
しかしこの二つの時代が異なる絵には、
間違いなく躍動している生きた人間がいるのだ。
琳派の本題とは外れてしまったが、
やはり宗達はすごいのだと改めて感じる。
