ますぶちStyle/宝石箱の片隅

“ジュエリーの事は風に訊け” vol.76

 

 

『何を根拠に資産価値と言っているのか』

 

 

 

 

今朝の朝日新聞に掲載されていた記事で、

かなり気になる箇所があった。

私も仕事柄リングやペンダント、ネックレスを付けている。

今回のオリンピックでも

多くの海外男性アスリートがジュエリーを付けており、

一方日本人はというと、まだまだ付けこなせていないという印象だ。

こんな点も日本の男性のファッション意識は、

海外に比べたら低いと言わざるを得ない。

それは個人のアイデンティティの問題だから

付ける付けないに関しては、私がとやくいうべきではないだろう。

それは兎も角この記事で

「服より資産価値のあるファッション若者受け入れ」という見出しは

思わず自分の目を疑ってしまった。

この記事を書いた編集者の意図は理解できないのだが、

あまり深く考えずに服との比較で

ちょっと高額だからという程度だったのかも知れない。

しかし、少なくとも「資産価値」という用語は

安易に使うべきではないだろう。

ずいぶん以前になるがココ山岡のダイヤモンド事件があった。

ある程度の年配の方なら

この事件は大きな社会問題になったから記憶にあるだろう。

この時も資産価値というキーワードに消費者は踊らされてしまった。

資産価値という定義そのものが極めてファジーだから、

何か大いに得してしまうような印象があるかも知れないが。

少なくともこの記事で書かれているレベルでは

資産価値とはいえない代物である。

 

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