ジュエリー小辞典基礎講座: part2

『真珠のほ・ん・と・う/真珠のふ・し・ぎ』vol-05

[鑑別機関や小売店では教えてくれない内緒話]

 

『シードパール又は芥子(ケシ)真珠のこと』

 

 

 

 

黒蝶や白蝶の無核真珠をクロケシ、シロケシと呼んで、

割高で販売しているケースが後を立ちません。

シードやケシとは微少な真珠のことで、

平均2ミリくらいの大きさの真珠を指します。

母貝はアコヤ貝とその親類の貝、

最近では中国産淡水真珠のケシがほとんどでムンバイ、ドバイ、香港などの

世界のトレードショーなどで見受けられます。

残念ながらアコヤのケシは皆無。

ところで本題のクロチョウやシロチョウの無核真珠は

サイズが10ミリ前後で形状はバロックです(*画像参照)。

本来のケシのサイズから言うと、大き過ぎますから、

こう言う呼称をつけるのは間違っています。

何故バロックと言わずケシと呼ぶのでしょう。

それは、通常のバロックと異なり、核がありません。

そしてバロックよりも形状が魅力的な事です。

商売としてはこれを放っておく手はないわけで

クロチョウケシ、シロチョウケシ(南洋ケシ)と呼んでバロックと差をつけたい。

それにより通常のバロックよりも割高で販売できると言う事です。

私は以前に真珠振興会に真珠の呼称について、

振興会のHPの表記についてもっと厳しく管理せよと

クレームをつけたのですが、その時は全く反応がありませんでした。

でもいつの間にか振興会のHPの表記が変わっていました。

勿論私如きが煩いからという訳ではないですけどね。

いずれにしても、南洋ケシ(シロチョウケシ)などと表示をしている

販売店や業者は素人の域を出ていないと思った方が

間違いないかも知れません。

 

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