ますぶちStyle/宝石箱の片隅

“ジュエリーの事は風に訊け” vol.72

 

 

 

過日昔お付き合いのあった経済記者から、

戦後の日本のジュエリーの動きについて質問を受けました。

この手の質問は滅多にあることではなく、真摯にお答えしました。

今更私の意見などなんの効果もないと

一旦はお断りしたのですが、昔色々とお世話になったことがあり、

これっきりという条件でした。

質問者に答えた中で

『1960年から70年代はジュエリーデザイナや作家が市場での市民権を得た黎明期と言ってもよく、ダイヤモンドインターナショナル賞やアンドリュー・グリマなどに触発され、

いわゆる作家志向が台頭した。菱田安彦、田宮千穂などのジュエリーはその良い例と言える。しかし80年代に入るとジュエリー業界もご多分に洩れずバブルが押し寄せ、いつしか作家の作るジュエリーは夜店の屋台化していく。そして92年のバブル崩壊、それに続くリーマンショックは日本のジュエリー業界が長く続く低迷機に陥った。現在世界では目を見張るようなジュエリーを作る作家が目白押しである。それに引き換え日本のジュエリーは世界の作家たちと方を並べる人は皆無と言っていいだろう。全国の小売店は雑貨店となりいつの間にか半端なジュエリーしか売らなくなっててしまった。いや売れなくなってしまったと言った方が正解だろうか』

と言う主旨の事を申し上げました。

また、

これからジュエリーの歴史を学びたいという人たちのために、

余計なお節介を敢えて言わせて頂くなら、

「歴史から学ぶ事は沢山ある。歴史を学び歴史の知識を吸収せよ。そして良いモノを数多く観る事だ。良いモノは必ず多くのヒントが隠されているから、それを見つけ出すこと。歴史は知の発見である」

とこれは生意気な発言でした。