全仕事Art Direction00

『BLACK JOKE-15』

 

 

『中から何が出てくるのかな』

 

 

 

 

私は学生の頃からムサ美の大先輩である

山藤章二というイラストレーターの描く絵に魅せられていました。

社会人になり、ある人との繋がりで

ナショ研(ナショナル宣伝研究所)のOBと交流ができ、

一度だけ山藤章二と会った記憶があります。

その影響もあり、こんなイラストを暇に明かして描いていたのでした。

ミキモトの90周年事業である企画が持ちあがり、

私の推薦した山藤章二と和田誠のどちらを起用するかになったのですが

最終的に和田誠を使うことに決まり、

私はショックで、かなり打ちひしがれた事があります。

1980年代は日本のジュエリー業界の業績が右肩上がりを示し

小売市場規模が3兆円どころか5兆円まで行くと

誰もが信じて疑わなかったのでした。

世の中はアメリカナイズされた広告戦略で沸き立ち

それは御多分に洩れず日本のジュエリー業界にも浸透していました。

ティファニーよりもカルティエの広告が好きだったのは

私なりのささやかな抵抗だったのです

ところが1992年の秋に敢え無くバブルが崩壊・・・

私が独立して事務所を構えることになったのです。

もう32年前のお話です。