ますぶちStyle/宝石箱の片隅

“ジュエリーの事は風に訊け” vol.69

 

 

 

 

 

『感動させるジュエリー』

 

 

自分でもよく分かっていないのだけれど、

あまり考えもなしに、講演や企業研修ゼミなどで

「感動させるジュエリーを作れ」と言ってしまう。

言ってしまった後で、“しまった”と思うのだが、既に後の祭りで

取り消すことができない。

一体「感動させるジュエリー」とは何だろうか。

とんでもない高価な宝石を使って、とんでもないパーツを組み立て

そしてとんでもないパリューレを作れば良いのだろうか。

それは兎も角感動する、させる基準はかなり幅があり、個人差があるだろう。

美術館や博物館に行って、展示されているジュエリーを見て

素晴らしい、見事、などの感嘆詞が出てしまうジュエリーは

確かに或る意味、見る人を感動させているのだが、

それとも少し違うような気がする。

モノは小さくても(ジュエリーは大体が小さい)、

デザインや作りが抜きん出ているジュエリーは

みる人に感動させる要素は十分だろう。

何やら答えのない禅問答のような気がするが、

要するに作り手と、それを所有する人が

共有できる「何か」、が存在すれば満たされるのだろうか

こうしてみると、安易に感動させるなどという形容詞は

使わない方が賢明だろう。

ジュエリーには作り手の魔法が潜んでいなければならない。

以前、私はあるところでそれを目の当たりにしたことがあるのだ・・・。

そんなジュエリーが世の中には確かに存在する。

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