宝石箱の片隅の呟き『深夜の散歩』−1965




『午睡(1)』


私が偶然にたまたま運悪く、
1970年に御木本真珠店(現在のミキモト)に入って22年間、
主として宣伝広告とブランディングに携わりましたが、
いま実感として言えるのは『上質とは何か』を学んだ事でしょうか。
これは1992年に独立して事務所を構えてよりハッキリと分かりました。
私がミキモト出身という事で迎えて呉れる企業と拒否される企業があったのですが、
一方ミキモト以外の企業の仕事をお手伝いすると、
品質の落差の激しさに戸惑いを覚えました。
少なくてもミキモトで扱う品は、
同業他社と比べると素人目でもわかるほど品質の差が歴然でした。
これは社内にいると分からない事でもあります。
独立の時にバブルが崩壊して、3兆円の小売市場があっという間に1兆円に、
さらに追い打ちをかけるように2008年のリーマンショック、
そして2011年の東日本大震災は日本のジュエリー市場を叩きのめしました。
いまだに1兆円をウロチョロしており、
このうち海外製品は40%を超えようとしていると思います。
全国の小売店はブライダルにしがみつき、
年に何回となくSALEを行なっている有様で、
店頭ではジュエリーもどきのアクセサリーでお茶を濁している。
これではジュエリーの上質なんて、夢のまた夢。
それでも店の看板は・・・。
これが現在の日本の多くの宝石店の実態、
といったらお叱りを受けるでしょうね。