真珠・ジュエリー何でも質問箱[no.06]

 

『スプレージュエリーについて教えてください』

◎ 

今回のご質問はスプレージュエリーについてです。

このところかなりミドルユーザー向きの質問がくるようになりました。

といっても2週間に一度くらいのペースですが・・・。

アンティークジュエリーの本を見ていると、「スプレージュエリー」という表記のジュエリーが散見されます。

このジュエリーは様式としては自然主義で、ボディースオーナメントなどと言われることもあります。

前回のストマッカーなどと同じで、かなり大柄の兼用ジュエリーです。

兼用ジュエリーというのは専用のドライバーでいくつかもパーツに分解でき、

ペンダントやブローチときには指輪などになります。

先日のセミナーにご参加の方は「矢車」という帯留めをご覧になったと思いますが、

矢車は12通りのジュエリーに使えるマルチジュエリーです。

 

 

このティアラは7つの花柄スプレーで形成されています。

花柄のティアラは通常別々のスプレーに分解されてブローチになり、

このタイプのジュエリーを兼用ジュエリーと言い19世紀に流行しました。

ミキモトも1930〜40年代に盛んに兼用ジュエリーを作っています。

また19世紀には絵画で自然主義が流行しましたが、

ジュエリーも自然の花や葉、蔓などを用いてジュエリーにしました。

18世紀のロココ以降、ルイ16世様式を経て、19世紀の中頃に

ロマンチックなムーブメントによるネオ・ロココスタイルが流行します。

この流行をリードしたのがナポレオン三世妃のウージェニーです。

ウージェニーはマリー・アントワネットに憧れていようで、

現在のルーヴル美術館(その当時はナポレオン三世とウジェニーの住まい)には

ウジェニーが作らせた数多くのジュエリーが所蔵されています。

このような背景のもと、植物学への関心や影響を受けた

ナチュラリスティックなジュエリーは、

宝石の花や葉の美しさを宝石とゴールド、

シルバーそして最高の技術によって表現されました。

1830年頃までフランスはナポレオン1世の帝政様式が上流社交界を風靡していましたが、

その後、花、葉、果実、昆虫などを用いたジュエリーは、

豪華でカラフルで複雑な構成を形成しました。

多くの場合、ティアラやストマッカーなどのジュエリーオーナメントには、

モチーフとしてバラ、ユリ、菊、フクシアが含まれていましたが、

当時最もファッショナブルな花でもあったようです。

 

*何でも質問箱に関するお問い合わせは jewellerystory_0512@yahoo.co.jp までお気軽にお寄せください。但し私は何の資格も持っていないので、お答えには偏見が混じることもあります。