ますぶちStyle/宝石箱の片隅
“ジュエリーの事は風に訊け” vol-21
『ジャポニスム研究(1)』
ジャポニスムの研究が本格的に行われるようになるのは、1988年にオルセー美術館と国立西洋美術館がジャポニスム展を開催して以降のことのようだ。
勿論浮世絵と印象派の画家たちの交流などほんの一部の研究家の間でしか知られていなかった。
また広辞苑に「ジャポニスム」なる言葉が登場するのは1993年のことである。
19世紀の中頃に万国博覧会を中心にジャポニスムブームが起こり、それはまさに江戸から明治へと日本が大転換を迎える時期と一致している。
ヨーロッパの人たちが日本の美術工芸に魅了され、多くの逸品が海を渡っていった。
日本にも多くのファンを持つ19世紀末から20世紀初頭に活躍した、印象派の巨匠クロード・モネは「・・・影によって存在を断片によって全体を暗示するその美学は、私の心にかなうものであった」と日本の美術工芸のことを暗示している。
モネといえば、私が昔パリに二週間滞在した時、ルーヴルからチェイルリー公園を通ってシャンゼリゼに行く途中にこじんまりした美術館を見つけた。近づくとオランジェリー美術館と表示されている。時間もたっぷりあるし入場料を払って中に入った瞬間、腰を抜かすほど驚いた。円形の壁一面にモネの睡蓮の絵が展開されていたのだ。
こんな美術館はそれまで一度も目にしたことがない。モネの絵は多少走っていたけれど、こんな凄い絵を描いていたなんて・・・。
その後ロンドンのテートギャラリーでターナーだけの部屋のボリュームにも驚かされたけれど、普段美術全集やモニターだけしか見ていないので、実物を見ることの意味をまざまざと知らされた。
美術展といえば、上野の都美術館で『奇想の系譜展』がサントリー美術館では『河鍋暁斎展』が開催中だ。この二つの展覧会は是非観ておいて欲しい。
少し本題から外れてしまったが、ジャポニスムがジュエリーに与えた影響はやはり大きい。現にラリックを始め、ヴェヴェール、ガイヤール、ティファニー、ファリーズなど当代の一流ジュエリー作家が果敢に挑戦している。但しその完成度については多少割り引いて考えねばならないだろう。
