パイプの煙/JAMの本棚-57・本をカバンに詰め込んで







『興津要著「落語笑いの年輪」を読む』



落語のなんたるかを書ける人、これを評論家というけれど、興津要と正岡容、小島貞二といったところが代表格でしょうか。
正岡容と小島貞二の本は先頃の引っ越しで行方不明になってしまいました。
恐らくどさくさに紛れて古本屋に売り飛ばしてしまったのでしょう。
惜しい事をしましたが後の祭りというやつです。
この本も高田馬場のBOOK OFFで書棚に並んでいたのを500円で買いました。
こういった本を読むと、なんだかいっぱしの講談通になった気分になるので、いいような悪いような。
落語の歴史は古く、戦国時代に武将のために御伽衆が語った滑稽話が始まりだとか。
戦をしていて死ぬの生きるのという時に、笑いを誘う事で何がしかの慰めになったのでしょう。
それから数えるとなんと四百五十年近くの歴史がある事になります。
私は新作落語よりも古典落語の方が好きで、誰でも話せる内容をどのくらい自分の芸としてこなしているかに興味があります。
最近芸能と芸術を一緒にして論じる人がいますが、寄席などで演るものはどんなに名人がやってもそれは芸能の一つだと思います。
寿司などの料理にしても芸術家気取りの店には絶対に行きません(もっとも高くて行けないのが本音ですが)。
芸術というものをどう解釈するか、定義付けるかによって変わりますが、演芸はどこまでいっても芸能なんです。
そこを取り違えるとなんか可笑しくなる。
人間万事控えめな方がなにかと奥床しいものです。