『久し振りに面白い本に出逢った』



ますぶちStyle/宝石箱の片隅

「JAMの本棚-31・幻の五大美術館と明治の実業家たち」






1週間に1冊以上は読むと決めているが
なかなか思うようにいかないのは歳のせいだ、
と言ってしまえば何やら言い訳めくが・・・。


新宿の紀伊国屋書店で人待ちしている時に目に留まり直ぐに購入。


江戸末期から明治・大正にかけて、
多くの実業家が時の権力と結びついて美味い汁を存分に吸い
富裕層の仲間入りをした。


まぁいつの時代も、悪代官と越後屋の関係はなくならないのだ。


どのような悪さをしても
金持ちが金を持ち過ぎると慈善事業に手をだすのは、
世界共通のジョーシキで、
本人はせめてもの罪滅ぼしのつもりなのだろうから、
何をか言わんや、である。


ところでこの本は、
世間一般に知られている有名私立美術館、
「大倉喜八郎と大蔵集古館」
「藤田伝三郎と藤田美術館」
「根津嘉一郎と根津美術館」を取り上げながら、
同じ実業家ながら
結果的に美術館構想が幻に終わってしまった顛末を纏めている。



取り上げているのは五人の実業家でこちらも有名人たちだ。


大茶人益田孝と小田原掃雲台「鈍翁美術館」、
生糸王原富太郎と横浜三之谷「三渓美術館」、
造船王川崎正蔵と神戸布引「川崎美術館」、
勝負師松方幸次郎と東京麻布「共楽美術館」、
美術商林忠正と東京銀座「近代西洋美術館」。



いずれも途中まで漕ぎ着けながら結局挫折してしまうのだが、
もしできていたら
さぞかし凄い事になっていただろうと容易に想像はつく。


何しろ彼等が金に任せてコレクションした膨大な書画骨董は、
散逸して多くの美術館に納まっている。



“なるほどそうだったのか”という箇所が随所に出てくるので、
一気読みをしてしまった。