『ジュエリーにおけるロマン主義の意味と影響』(3)



ますぶちStyle/宝石箱の片隅





「Understanding Jewellery=22・
ジュエリーの歴史を学ぼう」




現代のジュエリー作家の多くは、
自分で意識せずに何らかの形でロマン主義の影響を受けている
と言っても過言ではないだろう。



そもそも美術系を専攻してデッサンを学習するということは、
具象を徹底的に学ぶ訳だが、
具象を学ぶという行為はある意味ロマン主義と言っても良い。



そういう意味ではロマン主義そのものは
古代から行われていた行為だし、
ロマン主義という言葉そのものは20世紀になって、
学者や研究者の間で使われだした言葉である。



ルネサンス以降ヨーロッパの芸術は古代ギリシア、ローマの「美」を手本とする古典主義が常に芸術の王道を歩いてきた。


バロック、ロココも云ってみれば古典主義の一つである。


18世紀の後半になると、今までの古典主義の型にはまった厳格な様式美への反動が顕著になってくる。


特に文学、音楽の分野では
多くの作家たちがロマン主義の傾向に走った。



もっと表現は自由であって良い。


夢や愛や、想像の世界を自分の意志で表現したいと言う
思想であり哲学であったのだ。



ジュエリーもご多分に漏れず、
形式的で型にはまった表現の枠を超えて、
ある種のメッセージをジュエリーの中で表現しようとした。



そのひとつが「LOVEジュエリー」と言う、
メッセージジュエリーである。


画像は「ギメルリング」と言われる指輪で、
リングの環を開くとそこに愛のメッセージが刻まれている。


17世紀頃から作られているが、爆発的に流行するのは19世紀の中頃。


これ以外に「ポージ」「リガード」「ディアレスト」など
様々なメッセージジュエリーが登場してくる。


これらの意匠は
現代でも形を変えてデザインされているのを時々見かけるが、
底が浅いものばかりで見るに絶えない。



こんなところにも
ジュエリーの歴史をしっかり学ぶ必要がある、
とは思いませんか。