
パイプの煙=59
『生きとし生けるもの』
人間歳を取るに従い、
穏やかで安穏な毎日を過ごしたい、
争いごとはなるべく避けたいと、
誰しも
保守的な方向を望むものだ。
しかし時として「天」は、
好むと好まざるとに拘らず、
否応なしに
自分にいたずらを仕掛けてくる。
若いうちなら、
それを跳ね返すだけの
エネルギーを持ち合わせているが、
老齢になるとそれが敵わない。
知力、気力、体力の
どれをとっても充分ではないからだ。
しかしながら、
そういった我が身に降り掛かる火の粉は、
なんとしても振り払わなければ、
その現実と対峙しなければ
生きていけない。
どんな逆境におかれても、
それを撥ね除ける術を
知らねばならないのである。
しかし人間とは
なんとかくも哀しく弱い動物なのだろうか。
生存競争という
サバイバルゲームに打勝つだけの
柔軟性と強靭な「力」を
持たなければならないのに、
ただただ、もがき苦しむだけなのだ。
自分が今まで培ってきたことは
一体なんだったのだろうか。
どのような役に立ったというのだろうか。
この年末年始、
自己を省みながら
これからの僅かな人生と、
我が身に降り掛かる運命に立ち向かう
術を模索してみたい。