
Nightcap=52
『坂口商会の会社更生法申請に思う』
このような事について
あまり軽々しく批評を述べるのは
ちと考えものだけれど、
この会社、
もう10年以上前から危ぶまれていた。
私がお手伝いしていたジュエリー作家にも、
この会社から手を引いた方が良いと
アドバイスしていたのだが、さて・・・。
家族や同族経営は
ある程度大きくなると
自分たちだけの力ではいろいろな場面で
破綻を生じてくる。
巨木は自分自身の致命的なキズが
得てして見えないものだ。
これは決して企業の大小ではない。
地方の小売業だって安閑としてはいられない。
何十年も続く企業であればあるほど
自分の身体が判っていないところが多い。
世界の一流ブランドだって、
安閑としてはいられない訳だし、
「T」や「V」にしても
同じような同族経営の失敗だったとみている。
好きでもない
ジュエリーや宝石、時計の店を
親から譲り受けたはいいけれど、
仕方なしに対面をとりつくるだけで
やっている経営者を何人も見てきた。
また、家業を引き継ぐための英才教育も
いい加減にやっていては、
とてもこの激動の時代を
乗り切れるとは思わない。
ジュエリーや宝石の商売は
本人が「好き」でなかったら止めた方が良い。
しかしながら好きというだけでは
やっていけないのもまた事実。
いま、宝飾品業界は水面下で変化している。
この5年が勝負だよと
言っている一つの現れが
こういった形骸化した老舗の倒産だろう。
逆説的に言えば
一流が三流に、三流が一流になる時代到来
と云っても良い。
これからは経営にこそ「個」の資質が
求められる時代なのだ。