ジュエリーの歴史を学ぼう(13)



『ロマン主義はモチーフジュエリーの原点』



ジュエリーの歴史を調べていると、
つくづく19世紀という時代は、
ジュエリーにとって
大きく飛躍した時代だなという事が
解って来る。

建築や室内装飾、そして絵画や
彫刻、金工などからインスパイアされ、
表現や技法が豊かになってくる。

私たちはジュエリーの面白さを、
ややもすると
アール・ヌーヴォーに求めがちだが、
アール・ヌーヴォーは
19世紀末から20世紀初頭の
たかだか20年ぐらいのスパーンで
流行したにすぎない。

しかも1910年以降の
アール・ヌーヴォージュエリーを見ていると、
急速に
エドワーディアンやアール・デコなどへ
吸収されていく。

しかしジュエリーの主流は、
18世紀後半から19世紀初頭と、
その後1850年代半ばから
リバイバルで流行するロマン主義なのである。





ロマン主義は
美術分野では古典主義や新古典、
或いはアンピール様式などに対する
対立概念として受け止められているが、
ジュエリー分野においては、
18世紀後半から現代まで、
ほぼ250年を通じて広く浸透しているのだ。

古典主義は
古代ギリシアへの回帰がアカデミズムを生み、
形式的な要素が
表現を束縛するに及んで廃れていった。

一方ロマン主義は
あらゆる芸術の表現力を鼓舞することになり、
やがて自然主義や写実主義、
そしてアール・ヌーヴォーにさえも
大きな影響を与えることとなる。

現在私たちが
ジュエリーの発想にしているモチーフの原点は、
実はこのロマン主義から
発せられているといっても過言ではない。



こうして見ていくと、
ジュエリー制作や開発に携わる人たちは、
もっと真摯に
ジュエリーの『歴史』を学ぶべきだ。

表面的なカッコ良さだけで
ジュエリーを見ていても、
ジュエリーは
私たちに
なんの影響も与えてはくれないのだから。