
Jewellery Column=36
『何処か間違っているジュエリーの志向性』
「売れるものを作る」
「作りたいモノを作る」
これは至極真っ当な
ジュエリー制作の志向性である。
でも果たして
それだけでよいのだろうか。
もう一つ何か
重大な事があるのではないだろうか。
いま何故、
ジュエリーに人気がないのだろうか。
いまどうして
ジュエリー業界が不況だと
云われているのだろうか。
売れるものを作る、作りたいモノを作る、
のにである。
でも多くの人たちは
ジュエリーに目を向けようとしないでいる。
バブルの頃は
野次馬的な大衆という相乗作用によって、
訳が解らず兎に角
売れてしまった、買ってしまった。
それがバブル崩壊とともに
泡のように消えていってしまった。
でも本当にジュエリーを愛している人、
ジュエリーを理解している人は
沢山いるはずだ。
その人たちに
応える事が出来るジュエリーが、
市場にどれだけあると云うのだろうか。
ブライダルは
ある意味必需品という側面が強調されて、
挙式組数は減少しているにも拘らず
全体的な市場規模は
微力ながら増大している。
しかしジュエリーの持つ
本質的な意味合いの
嗜好品、贅沢品という部分では
殆ど手が付けられない状態だ。
あまりにも負の連鎖が
おきているからなのだろうか。
「作っても売れない」
「買ってくれる客がいない」
本当にそうなのだろうか、
いや決してそんなことはないはずだ。
彼等は
街の小売店や百貨店では買わないだけなのだ。
地方に行けば
文化を愛し、良いものが良いと解る人たちは
必ずいる。
その人たちのレベルと
販売する側のレベルに
大きなズレがあるのではないか。
だから街の小売店、百貨店、ユーザー展などでは
買わないのだ。
一言
「楽しませてくれる、面白がるジュエリーが
あまりにも少ない」
ただそれだけなのだ。
モノを作ると同時に
販売する側のジュエリーに対する基本スキルが
欠如しているから他ならない。