JBT(ジュエリー・ビジネス・トレーニング)
小売業の課題(4)
『個客の流出を防ぎたい』

どの業態でも過当競争の時代である。
のんびりしていては
いつの間にか
自店から客がいなくなってしまう。

ご多分に漏れず宝飾品業界も、
バブルがはじけた後、
大手のメーカーや卸業者主催の
「ユーザー展」なるものが登場した。

大手のメーカーや卸業者は
何しろ在庫が豊富であるから、
規模を大きくして
見栄えの良い催事はお手の物である。

その点、
小売店では経費もかかるし、
集客もままならないし、
売上も思ったより伸びないし、
ということで、
このユーザー展に飛びついた。

最初の頃は
自店の個客も大喜び。
何しろ昔売り出したゲイノウジンが
お見立てと称して、
催事会場にお出ましになり、
客と一緒に商品をみて回り進めてくれる。

短時間勝負の催事にはこれが受けた。

たちまち同業他社がユーザー展を採用し、
花盛りとなった。

小売店は何の仕掛けもいらず
客を連れ出して買わせてしまえば、
紹介手数料のバックマージンが入ってくる。
取引先も喜ぶし、
個客も嬉しい、
小売店も実入りがある。

しかし、である。
気がつけば、
大事な個客の何人かは、
いつの間にか自店から潮を引くように
いなくなってしまった。

メッキが剥げ落ちるのは時間の問題、
当然である。

自分たちが
何の努力もしないで
美味い汁を吸っていたのだから。

こういってしまうと
「冗談じゃない、
ウチはしっかり顧客管理をやっているよ」
とお叱りを受けそうである。

しかしながら、
これに限らず、自店から客が去ってしまう現実は、
実は驚くほど多いのだ。

それも自分たちがその原因すら掴めずに、
である。

個人情報保護法だかなにか知らないが、
個客のヒストリーが取れなかったら
それは自分たちの責任である。

自店の個客と
しっかりコミュニケーションをとり、
個客と死ぬまでお付き合いできるような関係を
築き上げなければ、将来はないだろう。

新規個客の開拓よりも
既存個客の見直しの方が、
経費の面からも
遥かに益は多いのだ。

$『ますぶちStyle/宝石箱の片隅』