『初心安心』

城山三郎の本の中にこの言葉が出てくる。

この4月に社会人になり、
社内研修を受けて配属となるのが
5月の連休明けだろう。
男性にしても女性にしてもまだ初々しさが残る。
自分の人生に対して
希望に満ち溢れている頃だ。
しかし
仕事に馴れてくると、とかく初心は忘れがちになる。

初心は仕事ばかりではなく、
車の運転についても言えることだ。
この連休車で遠出をするから、
あちこちで事故のニュースが絶えない。
「馴れ」は「油断」に繋がる。
そしてそれは時として「後悔」に。

人生はとかくこの繰り返しである。
いつも「初心」を忘れないことだが、
なかなかそうはいかない。

先日銀座でばったりと友人のSに会った。
彼はムサ美の同期で、
建築デザインを専攻していた。
その頃の建築は前途有望、
彼もある大手の建築会社に就職したのだ。
しかし配属先は飯場の炊事係。
思ってもみなかったが、彼は腐らなかった。
仕事の分野は違えど
「米」について徹底的に研究してしまった。
お陰で社内で異端児として認められ、
いまでは顧問として悠々自適の生活を送っている。
これも
「どんな境遇にあっても頑張るという初心」を
忘れなかったから、
と彼は珍しく酔いながら語ってくれた。