$『ますぶちStyle/宝石箱の片隅』

OBJECTION
養殖真珠復活のポイントはマキ(厚み)にある

養殖真珠の価値ポイントは幾つかある。
テリ(光沢)、マキ(厚み)、カタチ、サイズ(大きさ)、キズ、カラー(色)の4点だ。
これにネックレスの場合は連相(マッチング)が加わる。
鑑別や小売レベルではテリ(光沢)を最も重視しているようだが
私はマキを第一に重視しなければならないと思う。
アコヤ真珠の場合片側で真珠層の厚さは何ミリあるかご存知だろうか
わずかに0.5ミリしかないのである。
何故このような薄マキを良しとしているのだろうか。
第一に養殖現場の実態がある。
また加工技術の進歩でウスマキでもテリの良い真珠になる。
アコヤに限らず白蝶や黒蝶も年々ウスマキきになってきている。
この傾向は養殖真珠の価値を下げる要因になり
本来であれば厳しく管理していかなければならないのだ。

博多・相島(あいのしま)にある「ミキモト博多真珠養殖」では
マキを重視した研究が行われ、このほど量産化に成功した。
深みのある光沢と色、なによりも2.5mmにもおよぶ真珠層の厚みがあるのだ。
ミキモトが玄界灘に浮かぶ相島で真珠養殖を始めてから5年。
生産量は順調に増え、大玉が多いなど品質も高い。
同社はこれまで備蓄してきた相島の真珠を
初めて浜揚げをした08年の真珠の採取量は約8000個。
5年目の今年は約13万個に達したという。
相島のアコヤ貝は大きく育つ傾向があり、真珠が大玉になりやすい。
病気や赤潮の発生もなく、長期間育成できるため、
きめ細かい真珠の層ができて輝きが増すのだ 。
ミキモトが持つ三重県の養殖場と比べ、
相島の生産規模は4分の1~5分の1にとどまる。
しかし、高品質の真珠は収益向上や
品ぞろえの拡充につながるため、相島への期待は高い。
代表的な真珠宝飾品であるネックレスは、
大きさや色をそろえた真珠を用意する必要があり、
商品化には一定量の確保が欠かせなかったのだ。
これが今後どの程度業界にインパクトを与えるか解らないが
少しでも経年変化が起こしにくい
マキの厚い真珠が出現することを願って止まない。