OBJECTION
成熟社会におけるものの価値

エルメスのバーキンは女優のジェーン・バーキンが
ボロボロになるまで、そのバッグを使ったという伝説に彩られている。

しかし、実際にそんなになるまで使う事ってあるだろうか。
先日、私が5年前に買ったセカンドバッグを持って出かけようとしたら
マネージャーに
『そんなモノを持っていると安っぽくみられるから、新しいのを買いなさい』
と云われてしまった。

名もない人が使い古しの名もないモノを持つとみすぼらしく見えるらしい。
自分には馴染みがあって使い易いし、何よりも貫禄があるように思うのだ。
でも世間様の見方は違うらしい。
この歳になるとそれほど高価ではなくても、ブランドではなくとも
真新しいものを持っていた方が光って見える。
なるほどそう云った見方もあるのか、と変に納得した。

1980年代から90年代にかけて
いわゆる使い捨ての時代と云われて、モノの消費現象がおこった。
しかしバブル崩壊を切っ掛けに、
モノを大切にしようという風潮がおき、
成熟社会と相まって、良いものを長く使う事が美徳とされた。

しかし同時に、100円ショップの登場とデフレのあおりを受け
モノの価格は激安傾向になっている。
100円ショップも最初の頃はデザインもへったくれもなく
ただただ安さだけが売り物だったが
最近はデザインも結構しっかり考えられていて(もっとも殆どがパクリ)
買う気もないのに100円ショップをリサーチするとこがある。

今後リサイクルやリフォーム市場が
どのように変わっていくのか大変興味深いが
宝飾品においても金の地金を売ったり買ったりの時代は過ぎようとしている。
この辺で知恵を出さないとまた消費者は離れていく。
成熟社会の中で宝飾品はどうあるべきなのか。
新しい価値観がいま求められようとしている。