自分の事は棚に上げて
日本文化と金について研究している者として
加藤廣さんの「黄金の日本史」新潮新書を興味を持って拝読した。
彼は独自の視点で
「信長の棺」「秀吉の枷」「明智佐馬助の恋」の
本能寺に絡む三部作を発表。
いずれも今までにない、プロットは大変面白く読めた。
かなりお歳を召されてからの小説家デヴューは尊敬に値する。
中小企業金融公庫や山一証券では、
どちらかというと企画関係の仕事をされていたと記憶しているが
時代小説の新しい醍醐味を感じたのは確かである。
その彼が、金について書いているからには
これは是非とも読まねばならない。
いま金ブームである。
田中貴金属を始め、金を扱う企業の多くは業績が良い。
街の至る所で別けの判らない金買い取り店が出現し
宝飾店も3Rとかでかなり金の扱い量が増えた。
なによりも金の売買は現金取引になるので
回転資金調達にはもってこいの商品だ。
こういった現実をみて、
出版社と彼との間で本を書く話しが持ち上がったかどうかは知らないが
一読して非常にがっかりした。
全然勉強していない、資料も受け売りの類いが多い。
彼特有の新しい視点なんて何処にもない。
まあ、軽い読み物としてならこれでも良いのだろうが
それまでの小説に比べたら月とスッポンである。
このような方がこんな本を出してはいけないという典型ではある。
