宝石たちの1000物語
人に歴史があるように、宝石にもそれぞれの物語がある。1000文字に収められた1000の宝石たちの煌めき。それは宝石の小宇宙。[ここに書かれていることはあくまでもフィクションです。宝石の価値を何ら妨げるものではありません]
第11回
Rhodorite
garnet
今度こそ本当に
小雨がそぼ降る中を、その男は家路を急いでいた。
今日は娘の誕生日。
もう何回すっぽかしただろうか。
今日だけは娘と妻の3人で暖かい夕食の団らんを囲もう。
誕生日のケーキは、電話で注文して今頃は家に届いている筈だ。
雨に濡れないようにプレゼントを小脇に抱え、
急ぎ足で歩を進めた。
その時ポケットのケータイが鳴り出した。
男は舌打ちして、店の軒下に行き、ケータイを開いた。
案の定上司からの電話だった。
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