宝石たちの1000物語
人に歴史があるように、宝石にもそれぞれの物語がある。1000文字に収められた1000の宝石たちの煌めき。それは宝石の小宇宙。
[ここに書かれていることはあくまでもフィクションです。宝石の価値を何ら妨げるものではありません]
第5回
Water opal
女流画家の船出
私の絵が売れ出したのはいつ頃からだろう。
あるグープ展に出品した時、
その画廊に訪れた紳士が、私の絵の前にたたずんで暫く動かなかった。
みんながあの人パトロンになるかもと囃し立てたから、
仕方なく私はその紳士のところにいって、
おずおずと「何かご興味がありますか」なんて頓珍漢な言葉をかけてしまった。
紳士は振り向いて「これは貴女が描いたのですか」と聞いてきた。
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