今日は通院日で、乗り継ぎで駅のホームで電車を待っていたんです。


次の電車までは8分くらいあったのかな。


で、ホームには外国人観光客らしき2人組の男性がいて、日本の電車が珍しいようで一生懸命写真を撮っいて。


ホームの端で撮ったかと思えば、今度は少し移動して別の角度から撮る。二人で何か話しながら、実に楽しそうで微笑ましい光景でした。


ただ、一つだけ問題が…


ものすごく体臭が強かったのです。


食べ物や生活習慣が違うからなのかな?


まあ、本当のところは分かりません。


でも、がんの治療中って、特に匂いや味に敏感になりませんか?


普通の人ならそこまで気にならなかったのかもしれないけど、私には強烈だったんです。


隣に立っていたら、本当に吐いてしまうんじゃないかというくらいで、困ってしまって。


でも考えてみると、彼らは何も悪くない。


ただ電車の写真を撮っていただけですからね。


だから、


「臭いから向こうへ行ってくれ」


なんて話ではもちろんなくて。


だったら私が移動すればいい。


ということで、少し離れたところへ移動して、「これで良し」。


と思ったら、しばらくすると二人がこちらへ歩いて来るじゃありませんか。


「え、こっち来るのか」


それでまた移動して。


二人は別の場所から電車を撮影している。


よし、今度こそ大丈夫だ。


ところがしばらくすると、


「あららまた来た」


また静かに移動して。


向こうは電車をいろいろな角度から撮りたい。


私はできるだけ彼らから離れていたい。


その結果、同じホームの上で、


外国人観光客二人と私との、謎の鬼ごっこが始まってしまった。


もちろん彼らは追いかけているつもりなどなくて、私が勝手に逃げていただけなんですけどね。


おそらく彼らから見たら、


「さっきからあの日本人、俺たちが近づくたびにどこかへ行くな」


くらいには思ったかもしれないです。


そう考えると少し申し訳ないような気も…


ただ、こちらも電車の中で吐くわけにはいかないし、もし本当に吐いたら周りは大迷惑じゃないですか。


でも、彼らにそんな事情を説明するわけにもいかない。


結局、電車が来るまでホームをあっちこっちへ逃げ惑う状態になってしまって。


そこでふと思ったんですが、


インバウンドが増えるというのは、単に外国語を話す人が増えるということではないんだな、と。


食文化も違えば、生活習慣も違う。


香水の使い方も違うだろうし、汗や体臭に対する感覚だって違う。


日本では「スメハラ」なんて言葉まであるけれど、何を臭いと感じるか自体、かなり文化に左右されるんでしょうしね。


ここで一方的に外国人を「臭い」と言って終わってしまうのも違う気がします。


考えてみれば、彼らからすると、


日本人は醤油臭いのかもしれないですし。


毎日のように醤油を使い、味噌汁を飲み、魚を焼いている。


私たちは何とも思わないけれど、その生活圏から遠く離れた人の鼻には、何か独特の匂いとして感じられる可能性はある。


そう考えれば、お互い様なんですよね。


文化の違いというのは、思想や宗教や言葉みたいな大げさなものだけではなくて、食べ物だったり、声の大きさだったり、人との距離だったり、そして匂いだったりする。


でも、頭では


「文化が違うんだから、お互い様だよね」


と分かっているつもりでも、鼻と胃袋はそんな理屈には付き合ってくれない。


だから私はこれからも、耐えられない匂いがしたら黙って逃げます。


相手を責める必要もないし、自分が我慢する必要もない。


あなた方の文化は尊重します。
でも私はちょっと向こうへ行きます。


そのくらいでいいのかな、と。


もっとも、またこっちへ移動してきたら話は別ですけど。


そのときはまた、鬼ごっこの始まりですね。