「どうかこれに意味がありますように」
祈るような気持ちで、針の先を見つめていた。





高濃度ビタミンC点滴を始めた。
がん細胞を叩く効果が期待できるという。


正直に言うと、これがどこまで意味があるのかは分からない。
でも、「やらない理由もなかった」というのが一番近い。

機能性医学の分野では、この治療は比較的強く推奨されているようだ。
そのことも、背中を押した理由のひとつだった。

最初は12.5gから。

点滴自体はあっさり終わる。
ただ、そのあとだった。

違和感、というほどでもない。
でも明らかに「いつもと違う」感じがある。

そして、下痢。

「やっぱり来たか」と思った。
事前に聞いていた通りの反応だったから。

次は25g。

ここでどうなるか、少し興味があった。
量が倍になれば、反応も強くなるのか。

結果は、同じだった。

やっぱり下痢。
ただ、単なる副作用というよりは、「これ以上は余ってる」というサインにも思えた。

体が処理しきれなかった分を外に出している。
そんな感覚。

このタイミングで、G6PD検査を受けた。

それまで知らなかったけど、これは事前に確認しておくべき項目らしい。
体質によっては、高濃度のビタミンCで赤血球が壊れてしまうリスクがある。
それを避けるための検査だと知った。

結果は問題なし。

そして、もう一度25g。

すると、不思議なことに下痢は出なかった。

「あれ?」と思った。

量は同じ。
でも反応が違う。

単純に体が慣れたのか、
それとも何かのラインを一度越えたのか。

理由は分からない。

ただ一つ言えるのは、前とは違う状態になっていた。

そこから50gへ。

さすがに何か起きるかと思ったけど、
結果は拍子抜けするくらい普通だった。

強い副作用もなく、
体調が大きく崩れることもない。

むしろ、「何も起きないこと」に少し戸惑った。

効いているのか。
効いていないのか。


正直、まだ分からない。

ちなみに、この50gで1回約25,000円。

決して軽い金額ではない。

これを週2回、3ヶ月。
その後は週1回。

続けると決めたものの、
「とりあえず」で払える額ではないとも思っている。

効果があるのか分からない中で、この金額をかけ続ける。
それが現実として、ずっと横にある。

それでも続けてみようと思ったのは、

「何もしなかった未来」よりは、
納得できる未来に近づける気がしたから。

3ヶ月後、どうなっているか。

そのときの自分が、どう感じているのか。
それを少し楽しみにしている。