先日、膵癌になった医師ご本人の症例報告を読みました。


非常に興味深い内容だったので、忘備録も兼ねて共有したいと思います。少しでもどなたかの参考になれば幸いです。


症例の概要

紹介されていたのは、Stephen Bigelsen医師の症例です。

彼の報告によると、

* 2016年7月に膵臓がんと診断
* 膵頭部および膵尾部に腫瘍
* 腹膜転移あり
* CA19-9:11,575 U/mL

という状態でした。


報告によると、以下の組み合わせで治療を受けたとされています。

- ゲムシタビン
- カペシタビン
- パリカルシトール(活性型ビタミンD誘導体) 25μg(週3回静脈投与)
- ヒドロキシクロロキン(HCQ)600mg(1日2回)



結果

報告では、

- CA19-9が11,575から15まで低下
- CTで活動性腫瘍を認めず
- Complete Response(完全奏効)

に至ったと記載されています。

ただし、Bigelsen医師自身も、

- 症例数は1例(n=1)
- 化学療法単独の効果を完全には否定できない
- 因果関係を証明するものではない

と明記しています。

そのため、この症例は非常に興味深いものではありますが、現時点でパリカルシトールやHCQの有効性を確立したエビデンスとは言えず、「仮説を支持する症例報告」と考えるのが適切だと思われます。



なぜ注目されたのか

この症例が注目された背景には、

- パリカルシトールが膵癌周囲の線維化(ストローマ)を弱める可能性
- HCQがオートファジー(自己貪食)を阻害する可能性

という、当時としては新しい治療戦略があります。

これらの仮説を、医師自身が実際に自らへ適用したという点が大きな注目を集めたようです。



私自身も調べてみました

この症例をきっかけに、私自身でも色々と調べ始めました。

まずHCQについてですが、元々はリウマチなどに使用される薬であり、日本では癌患者向けに処方を受けることが容易ではないことが分かりました。

そこでYouTubeなどで情報を探し、韓国・ソウルにHCQを処方している癌専門クリニックを見つけたため、一泊二日の弾丸旅行で受診してきました。

今年3月に機能性医学のクリニックを訪れて以来、これで2回目の韓国行きになります。



韓国のクリニックで言われたこと

診察では、主に次のような話がありました。

① まずは体重を増やすこと
膵癌は体力勝負の側面が大きいため、何よりもまず現在の50kgから54kg程度まで体重を戻すことが最重要とのことでした。

そのためには炭水化物も必要であり、糖質制限は解除した方が良いとのアドバイスを受けました。

② 抗がん剤治療の再検討
膵癌は処方薬だけで闘える病気だと考えるのは現実的ではないとの見解でした。

抗がん剤の副作用が問題だったとしても、減量投与なども含めて再開を検討した方が良いのではないか、とのことでした。

③ パリカルシトールについて
パリカルシトールは静脈注射での投与になるそうです。

日本では導入できる施設が非常に限られているため、韓国への継続通院が難しい場合は、日本国内の自由診療クリニックで相談してみてはどうか、という話でした。

④ オフラベル薬について
イベルメクチン、メベンダゾール、フェンベンダゾールなどの転用薬・オフラベル薬についても質問しました。

もし導入するのであれば、

- 必ず一種類ずつ
- 少量から開始する
- 定期的に血液検査を行う
- 肝機能の変化を確認する

ことが重要とのことでした。

また、

「オフラベル薬の副作用で肝機能が悪化し、本来受けられる抗がん剤治療が受けられなくなるのは本末転倒である」

という言葉が印象に残っています。



今回入手したHCQ

今回の韓国受診では、HCQのジェネリック医薬品を入手することができました。



パリカルシトールについて

パリカルシトールについては、現在高濃度ビタミンC点滴で通院しているクリニックに相談し、導入の可能性があるか確認してみようと思っています。



おまけ

ソウル市内の川沿いを散歩していたところ、かすみ草とポピーがとても綺麗に咲いていました。



病院や治療のことばかり考えていると視野が狭くなりがちですが、こうした景色を見ると少しだけ気持ちが和らぎます。



そして、同じ川沿いに「アーシング」専用の黄土コースが1km以上に渡って整備されていました。

裸足になって歩きました。気持ち良かったです。



その黄土コースで、あるご夫婦とすれ違いました。
奥様は癌患者と思われ、ご主人が奥様の手を引き、肩に手を添えてゆっくりと歩いていました。

私はコットン帽を被らずに歩いていたのですが、そのご主人が私の薄い頭をじっと見ていました。

恐らく、私も闘病中の癌患者だと気付いたのでしょうね。

がんサバイバーの同志、この感覚は万国共通なんだなと思いました。




今試している治療の結果がどうなるかは分かりませんが、調べられることは調べて、試せることは主治医とも相談しながら試していこうと思います。


闘病中の皆さまの痛みや苦しさが少しでも和らぎ、穏やかな時間が増えることを願っています。