大学に行って、いい会社に就職して、結婚して子供を産んで。
20代のうちに社会的にしたほうが良いとされていることってこんな感じだとおもちます。わたしの経歴は自慢してまわれるほど良いものではないけど、だいたいうまくできていたと思います。
でもわたしの本質は、もっとダメで、自由で、怠惰で、直感的なところにあったのだろうと思います。
毎日決まったところに出勤したり、真面目に働いたり、愛想笑いをしたり。できていなかったとは思いません。でもしたくないことをなんとかこなしていく。そんな小さい積み重ねがわたしを追い込んだんだと思います。
自分で自分を追い込んだのです。
入院した時、このままでは死ぬと言われました。実際に立ち上がるのも困難でしたので、わたしは気力だけで動いていました。
全身に痛みのある人間が、身支度をして足を引きずりながら一時間電車に乗って仕事に行き、フルタイムで働く。
今考えればおかしかったと思います。でも、休むとか辞めるという選択肢は浮かびませんでした。耐えていればいつか治る、なぜかそんなことを考えていたように思います。
そんな人間なので入院しても、まだ自分を追い込んでいました。仕事を辞めないで済む方法ばかり考えていました。
また、痛みがすごいので、毎日を生き抜くことがやっとでした。死がすぐ隣にあるように毎日を生きていました。未来を考えている暇はなかったはずですが、死を目の前にして、リストを作りました。
死ぬならやろうリスト
安易なリストですね。できるかどうかは置いておいて、思うままに書き出していくと、私はどこか遠くへ行きたいのだと気付きました。
南極に行きたい
トルコに行ってトルコアイスを食べたい
ピラミッドが見たい
流氷が見たい
オーロラが見たい
全部ではないですが、旅行についての希望はたくさん出てきました。
ここから逃げたい。
どこか違うところに行きたい。
死ぬ前に、せめて好きなことがしたい。
素直になれない自分の心の叫びが連なったリストのように思いました。
一覧をざっと読んで、
わたしは世界一周に行く
そう決めました。