カロリー高めポテチは持ち帰ります
その言葉は、2年目、2回目の仕事となった昨年も、本当に鮮烈だった。
船長の最初の巻頭言で始まる番組。
2022年は一発でOK。みんなで思わず唸った。
2023年は、回転扉で出てくる仕掛けがすこし複雑すぎて、扉の閉まりが何回かずれる。そのため、何テイクか撮った。
そのたびに、扉をつくった美術チームや、うしろで扉をピタリとはめる役を担ったスタッフは緊張する。何度も繰り返させては申し訳ないから。
でも、船長はその度に声に出していった。「次はもう少し明るくやってみよう」「お昼の番組だものね、もう少し勢いよく言ってみよう」・・・周りが申し訳ない気分にならないように。
僕はその声を聞いてあらためて思った。
「ああ、この人は本当に、言葉の方だ。ことばのひとだ。」と。
自分の言葉が、どう届くかが、わかっているし、これ見よがしではなく、自然に溢れ出るように言葉を紡ぐ。
そばにいたクリエイターの竹谷さんも名久井さんも、うんうんと頷いていたのを目撃している。
そのあとも現場は、船長の言葉に導かれ続けた。
それは、船長オリジナルの言葉だけではない。
たとえば常滑が平安時代からの焼き物の産地であること。
それがナレーションされるとすかさず「平安時代」とつぶやく船長。
これで、届く。
VTRのナレーションで、これは届いて欲しいということばを必ず、つぶやいてくださるのだ。
毎回、番組ではロケにも出て頂いている。
そのロケの際も、船長はカメラの回っていない時に
「言葉」でぎゅっと取材相手をつかんでいた
収録の最後に、僕は船長を見送る大役をおおせつかった。
そこで船長と何を話したかは、あまりに大切な思い出すぎて、死ぬまで語れない。だけれども、本当にほんとうにうれしかった。僕の言葉も覚えてくださっているし、それに対する言葉も、刺さる刺さる包まれる包まれる。
日本を代表するクリエイターたちを招くこのプロジェクトだけど、船長もまた、日本を代表する「言葉」のクリエイター。数多の言葉を読み、浴び、編んできた僕はそう思う。いつまでも、その言葉を聞きたいから、共に仕事をさせていただきたいと思う。
翔くんのこと、船長と呼んでくださってるんですね
嬉しいな
また一緒にお仕事できますように
言葉展については有料記事で載せられませんが、こちらもぜひ読んでいただきたいです