何か買ってきますけど
マネージャーの声で目が覚めたとき、車はちょうどスーパーマーケットの駐車場に入っていくところだった
コーヒー、ブラックのやつお願い
座席の隙間からゲームの画面の灯りが見えた
斜め前の席では相葉くんがベッドホンをしたまま目を瞑っていて、隣ではリーダーが爆睡している
久しぶりに５人で一台の移動車だ
松本さん起きましたか
あ、うん
飲み物買ってきますけど
あ、じゃ……あったら、お願い
あ、俺も……買ってきてもらっていい？
後ろの席から声がした
了解です 、行ってきます
車のドアが閉まって暫くすると、手にしていたスマホの灯りがついた
しょおくんからLINEだ
じゅん 起きたならこっちおいで
うん
後ろの席に並んで座ると、しょおくんは新聞をたたんで読書灯を消した
もういいの？
ああ だいたい読んだから
しょおくんはLAにいても、日本の新聞を取り寄せて毎日読んでいる
おつかれさま
じゅんも疲れただろう
打ち合わせとかいろいろ
疲れたけど
好きでやってるから
そっか
うん
すぐ隣にいるのに文字で会話するなんてあの頃には考えられなかったことで、改めて20年の月日は偉大だなと思う
じゅん、何考えてる？
昔の事
いろいろあったなって思って
俺もさっき思い出してた
同じだね
そうだな
マネージャー、遅いね
おまえが常温の超軟水とか頼むから
しょおくんも人参多めの野菜スティックって
二人で顔を見合わせて笑う
あの頃と何も変わらない
スマホを閉じるとしょおくんの顔がゆっくりと近づいて、俺は目を閉じた
the end
翔潤天体観測記念のお話
読んでくれてありがとうございました
全てきららの妄想です
でもきっと、リアルさんは妄想を遥かに超えてると信じてます