嶺太へ


 今日はハロウィンです。

 

 麻布十番は外国人も多い町なので、

 夕方買い物に出たら、小さい子ども…とはいえ嶺太よりは

 お兄ちゃんやお姉ちゃんたちが

 みんな仮装をしてにぎやかです。


 いつかこの街で、嶺太もそんな風にできたらいいのにね。


 とってもたくさんのかわいいオバケや魔女たちが

 この街には生息しているらいいから(笑)。


 今日はね、本を一冊読み終えました。

 『ザ・ロード』というアメリカの小説です。


 理由は描かれていないんだけど、

 現代文明社会がなにかのきっかけで崩壊して、

 空には灰が厚い雲になって太陽をさえぎり、

 地上ではあらゆる動植物が死に絶えた世界で、

 一人の父親とまだ幼いその息子が

 南へ旅する物語なんだ。


 息子はそんな状況でも

 とっても心が美しいコで、

 お父さんはそれを守るために必死になるんだ。


 なんだか読んでて泣けてきたよ。


 お父さんも気持ちはかわらないんだ。

 なにがあっても、嶺太、君を守るよ。

 君の善意と、純粋な魂を。

 お父さんにとってそれは何にも変えられない宝物だから。

 それなしに生きている意味がないから。


 君の火をお父さんが守るよ。


お父さんより

嶺太へ

今日も楽しかったね。
嶺太と会う日で初めて雨だと思ったら台風。
だけど千葉ニュータウンのイオンモールでいっぱい遊んだもんね。

嶺太はずいぶん言葉を覚えていて、ビックリするよ。
いっぱいしゃべってくれると嬉しいな。

でも知らない人に話しかけられると、まだまだ大人しくなっちゃうね。
でも、今朝はお父さんの顔を見るなり駆け寄ってきてくれて嬉しかったよ。

そして時々、「お父さん」って言ってくれるからね。

今日はペットショップで犬を抱っこさせてもらえてよかったね。
ふわふわのぬいぐるみみたいなトイプードルとハグして嬉しそうな嶺太。
ほんとに君は動物が好きだね。
友達におもちゃを譲るとこや、君が優しいコで良かった。


たにぃ家の戦争。


それから沢山食べるようになって嬉しいな。
元気で強く逞しく、賢くて優しく育ってね。

毎日君の成長を本当に欠かさず見れたらなぁ。

お父さんより

嶺太へ


 おなかすいた…

 新しい職場だけど、お父さんはまた残業だよ。

 トホホ。

 でも、今度の会社は残業代も出るし、

 給料あがるかもね。


 そしたら、もっと大きい家に引っ越して

 一緒に住めるかなぁ。


お父さんより



嶺太へ


 今週末は雨だってさ。

 せっかくテル君と原宿でホットケーキを食べにいこうかと思っていたのにな。

 雨だったら、こどもの城にしようかな。


 でも、まぁ、お父さんは嶺太の晴れ男ぶりを

 なんとなく信じています。

 台風なんかに負けないでしょう。


 昨日、会社の歓迎会で嶺太の写真をみんなに見せたら

 「似てる」「やんちゃそう」と言われました。

 お父さんはうれしいです。


お父さんより

嶺太へ


 今日は親子ネットの勉強会に来ています。

 離婚したり、別居したりで子どもと一緒に住めない

 お父さんやお母さんの会です。


 お父さんと嶺太はいまのところ月2回くらいは

 会えているけど、

 ここに来ているお父さんとお母さんは、

 ぜんぜん会えない人もいるんだ。


 お父さんだって、いまみたいな頻度でいいとは思ってないし、

 でも法律は優しくはないんだ。

 お母さんはどう考えているかわからないけど、

 いつかお母さんがわかってくれる時がくるまで、

 でも、それを待っているだけなんてできないから

 法律を変えたり、世間の認識を変えようと思うんだ。


 両親がなんらかで離婚したとしても

 子どもに罪はないのだから

 わがまま言って別れた償いも含めて

 子どもにとっては良い父親であり、母親であるべきだと思うんだ。


 そして「良き父」「良き母」は人によって違うと思うけど

 少なくとも人生になんらかの恵みを与えるだけの

 関係性の上にたつのが条件なんなじゃないかと思う。


 お母さんもわかっているんだと思うんだ。


 この間も、嶺太にお父さんのことを「お父さん」って

 呼ばせようとしてたんだよ。

 お母さんも嶺太のことが大好きで、

 それはお父さんも一緒だからわかるんだ。


 本当に大好きだから、

 いろいろ他の考えはあるんだけど、

 「嶺太のために何をするのがベターなのか」って

 考えているんだ。


 ごめんね、嶺太。


お父さんより