【RPE】【日中対立】★トランプが日本に味方してくれない真因 mag2 0000012950 <mailmag@mag2tegami.com>
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ロシア政治経済ジャーナルNo.2795 2025/12/13
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
日中関係の悪化がつづいています。トランプさんは、この問題をどう考えているのでしょうか?
『共同』12月12日付。『日米同盟維持し中国と協力 トランプ氏、対立から距離』
〈米ホワイトハウスのレビット報道官は11日の記者会見で、日中関係の緊張を巡りトランプ大統領が「米国は日本と非常に強固な同盟を維持しつつ、中国とも良好な協力関係を保つ立場にいるべきだと考えている」と述べた。一方への過度な肩入れは避け、対立から距離を置く姿勢を印象づけた〉
〈トランプ氏は中国との貿易交渉を重視し、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁を発端にした日中の関係悪化について公の場で発言していない。レビット氏は、トランプ氏が高市氏と「素晴らしい関係を築いている」と強調した上で中国の習近平国家主席とも良好な関係にあることは「米国にとって有益だ」と語った〉
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トランプさん、日中対立で日本の味方をせず、【 中立の立場 】を保っています。トランプさんの姿勢に驚いたり、落胆したり、憤ったりする人たちがいるようです。しかし、驚かないし、落胆しないし、憤らないし、「さもありなん」と考えている人たちもいます。
誰? 「私たち」です。『パワーゲーム会員』の皆さんは、もっと「さもありなん」でしょう。
なぜ? 私たちは、トランプが習近平に強くでられなくなっていること、ずっと前から指摘していました。
何が起こったのか、復習してみましょう。
トランプさんが大統領に返り咲いたのは、2025年1月です。当初は、「やる気満々」でした。
何を「やる気満々」? 「米中覇権戦争」がはじまったのは2018年10月です。
第一次トランプ政権で副大統領だったペンスさんが、「反中演説」をした。2021年に大統領になったバイデンさんも、「米中覇権戦争路線」を継承しました。彼は、クアッド強化、AUKUS、IPEF、民主主義サミット立ち上げなどによって、「対中包囲網」を強化していった。
ところが、2022年2月ウクライナ戦争勃発、2023年イスラエルvsハマス、ヒズボラ、イラン戦争勃発によって、対中政策はボロボロになってしまいました。
2025年1月、戻ってきたトランプは、「やる気満々」だった。そう、「中国を打倒する気満々」だったのです。
どうやって? 「関税政策によって」です。2025年4月、トランプは、「中国製品に【 145% 】の関税を課す!!!!!!!」と高らかに宣言しました。トランプ信者は、「歓喜の舞」を踊ったことでしょう。「これで、中国は終わりだ!!!」と。
ところが、トランプは翌2025年5月、「中国製品への関税を【 115% 】【 下げる 】!!!」と宣言した。つまり、対中関税は30%!?
なぜトランプは、大TACOしたのでしょうか? そう、習近平が、【 レアアースの輸出制限 】を発表したからです。
この措置の影響について。『笹川平和財団』6月13日。『中国レアアース輸出規制と各国の対応~経済安全保障の主戦場をめぐる攻防』
〈1. 中国がレアアースの輸出管理を強化 中国が2025年4 月、米国のトランプ政権が打ち出した関税措置への対抗として、レアアース7種の輸出規制を実施し、影響が世界に広がっている。レアアースを使用した部品の供給が停滞した影響で、米国のメーカーが自動車の生産停止を余儀なくされた〉
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中国の「レアアース輸出規制」でアメリカの自動車生産が止まった。だからトランプは、関税を引き下げざるを得なかった。
2025年1月から4月までトランプは、中国を打倒する気満々だった。しかし、5月以降は、習近平に逆らえなくなったのです。そのことは10月30日の米中首脳会談でも明らかでした。トランプは会談後、「レアアース(問題)はすべて解決した」といいました。
しかし、習近平は、トランプが中国に不都合なことをしたら、いつでも「レアアースカード」を使うことができる。そして、この会談でトランプは、「台湾問題」「ウクライナ問題」などには、一切触れなかったのです。
この件について、「親トランプ派」の論者は、「米中首脳会談はトランプの完全勝利だ」などといっています。トランプは10月21日、オーストラリアを訪問。オーストラリア政府とレアアース開発に関する合意文書に署名しました。
10月26日、トランプ・アメリカは、東南アジア4カ国と貿易、重要鉱物に関する協定に署名した。これをもって、「トランプは、レアアースの調達先を多角化することで、習近平の制裁を無力化した」というのです。
本当にそうでしょうか?
レアアースの生産量2024年を見てみましょう。
1位 中国 270、000トン
2位 アメリカ 45、000トン
3位 ミャンマー 31、000トン
4位 オーストラリア 13、000トン
4位 タイ 13、000トン
4位 ナイジェリア 13、000トン
出所 Mineral Commodity Summaries 2025(U.S. Geological Survey)
中国は、世界のレアアース生産の70%を占めている。そして、その量は、2位~6位アメリカ、ミャンマー、オーストラリア、タイ、ナイジェリアを合わせた量の倍以上。
トランプはこの現状を、一回の訪問で解決することができたのでしょうか? 一回の訪問、合意文書に署名しただけで、果たして習近平に大勝利できるほどのカードを手に入れたのでしょうか? 「そんなわけないだろう」というのが、常識的な見方だろうと思います。
私たちは、「ポジショントーク」に気をつける必要があります。
「トランプは神だ!」と主張してきた人たちは、今までの言葉と整合性がとれるように、トランプが何をしても、肯定的に評価しなければならない。また、アメリカ人の発言を妄信するのもやめた方がいいです。投資家の神様のようだったレイ・ダリオ、ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズなどは、「中国が覇権をとる」と公言し、間違いました。
というわけで、トランプが日中対立で高市さん側に立てないのは、「習近平との関係を悪くして、レアアース制裁を復活されたくないから」です。
では、日本は、どうすればいいのでしょうか?
▼高市政権への指針
まず高市さんは、「トランプは、レアアース問題があるので、習近平と揉めたくないのだ」ということを理解しておく必要があります。そして、これからどう行動していけばいいのでしょうか?
1、中国を刺激しすぎないこと
日本だけが中国との仲を悪化させつづけていくと、アメリカに「バックパッシング」(責任転嫁)される危険性があります。
私がモスクワに住んでいた時によく聞いた言葉。「一番いいポジションは、二匹のトラが戦うのを、高いところで見守る賢いおサルさん」
つまり、トランプ・アメリカは、「日本トラと中国トラが戦って疲弊するのを眺める」かもしれない。自主保守、リベラル的な用語でいえば、日本は「梯子を外されるかもしれない」。
中国は相変わらず、ギャーギャー騒いでいますが、こちらからは挑発したり、報復制裁をしないでおきましょう。
2、中国の「軍国主義復活プロパガンダ」には、対抗する
中国は、高市総理の「存立危機事態」発言について、「日本で軍国主義が復活している証拠だ!」というプロパガンダを強力におこなっています。これでロシアを味方につけ、イギリス、フランス、ドイツにも同様の情報戦をしかけている。日本、これには対抗する必要があります。
ポイントは三つ。
・中国の主張はウソである
高市総理は、台湾有事の際、中国軍がアメリカ軍を攻撃したら、日本はアメリカを守るといったのだ。(発言全文を見せ、説明。)
・日本は軍国主義化していない
1998年から2022年をみると、中国は軍事費を10倍化させている。同時期日本は、1.8倍化させた。2025年の中国の軍事は36兆円。日本が今年11兆円まで防衛費を増やしても、3倍以上差がある。欧州の人たちに、日本と中国の防衛費の増加率グラフを見せ、「軍国主義は中国だ!」という。
・日本が台湾と友好関係を保っているのは、「軍国主義が復活している」からではなく、【 台湾を第二の香港にさせないため 】である
1997年香港返還時、中国はイギリスに、「今後50年間は一国二制度を維持する」(つまり香港の民主主義は守られる)と約束した。しかし、2020年に香港国家安全維持法を成立させ、香港の自由と民主主義を根こそぎ奪った。
中国が台湾を併合すれば、台湾から自由と民主主義は消滅する。日本が守りたいのは、【 台湾の自由と民主主義 】なのだ!!!
3、日本は「中国の悪口をいわずに」アメリカとの関係をますます良好にしていく
これは、安倍さんの外交が参考になります。2012年12月、安倍さんが総理に返り咲いたとき、前任の野田総理(現立憲民主党党首)のせいで日中関係はボロボロでした。
もっとひどいのは、野田さんと同じ民主党・鳩山総理のせいで、日米関係もボロボロだった。そして、リベラルなオバマさんは、保守の安倍さんが嫌いでした。
さらに、リベラルなオバマは、当時とても親中だったのです。
安倍さんは、民主党の鳩山、菅、野田政権がボロボロにした日米、日中関係を修復していきました。安倍さんは中国の悪口をいうことなく、一貫して「アメリカをほめつづけること」で、日米関係をよくしました。
わかりやすい例が、2015年4月の「希望の同盟演説」です。だから高市さんも、「習近平の悪口をいわずに」アメリカと仲よくすればいい。そして、理解してしまえば、トランプさんと仲よくするのは難しくない。トランプさんは、徹底したナルシストで、自分のことが大好きなのです。
ですから、
・トランプさんは、史上もっとも偉大な大統領だ!
・トランプさんは、ノーベル平和賞をもらうべき人だ!
・トランプさんのおかげで、中東に平和がもたらされた!
・トランプさんのおかげで、アルメニアとアゼルバイジャンの30年戦争が終わった!
などなど、褒める要素はいくらでもある。だから高市さんは、永遠にトランプさんを褒めつづければいい。習近平を批判する必要はないのです。
4、日本は、その他の国々との関係をますます改善させていく
日本は、欧州、インド、オーストラリア、東南アジア、韓国などとの関係をますます改善させていくべきです。安倍さんは、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱し、実際にインド太平洋地域の国々との関係を大いに発展させました。クラスのいじめっ子(中国)を包囲するために、いじめっ子(中国)と戦う必要はありません。他の子供たちと仲よくしていれば、いじめっ子(中国)は、孤立していくのです。
「戦わずに勝つのが最上」(孫子)です。というわけで、「トランプが日中対立で中立」なのは、「想定内」。日本は、あわてず騒がす、やるべきことをやっていきましょう。
今回の話、「そのとおり!」と思われたら、高市総理に教えてあげてください。
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